神奈川県内で議論が続く「特別市(特別自治市)」構想について、横浜市の山中竹春市長は14日に行われた定例会見で、その意義を改めて強調した。山中市長は「神奈川県は3つの政令指定都市を抱える特異な県であり、特別市の実現によるメリットは他の道府県と比較しても極めて大きい」と述べ、構想推進への強い意欲を示した。
二重行政解消と広域行政の責任分担
山中市長は、特別市構想が実現すれば、県と市の間で重複する行政サービス(いわゆる二重行政)の解消につながると指摘。さらに、広域的な行政課題についての責任分担を明確にする必要性にも言及し、「県全体の底上げにつながる」と前向きな姿勢を改めて示した。
県内全市町村長から反対の声
一方、横浜市、川崎市、相模原市の3政令市を除く県内の全市町村長は、4月以降、特別市の法制化に反対する要望書を黒岩祐治知事に提出している。彼らは、特別市が実現した場合、財政面での悪影響や、県が担ってきた広域的な調整機能に支障が生じることを懸念している。
こうした懸念に対し、山中市長は「現在の財政配分を前提とするのではなく、特別市制度の適用後に財政を最適化するという前提で議論すべきだ。再配分の設計のあり方を話し合う必要がある」と指摘し、現行制度にとらわれない議論の必要性を訴えた。
特別市構想は、政令指定都市が都道府県から独立し、これまで県が行ってきた事務を自ら処理する制度。二重行政の解消や権限移譲による効率的な行政運営が期待される一方、県の財政や広域行政への影響を懸念する声も根強い。今後の議論の行方が注目される。



