松葉ガニ水揚げ量が大幅増加、資源回復の兆しで漁業関係者に期待
鳥取県において、今シーズンのズワイガニの水揚げ量が注目すべき結果を記録しました。特に雄の「松葉ガニ」は267トンと前シーズンから61%も増加し、資源保護の取り組みが実を結んでいることが明らかになりました。県のまとめによると、この増加は漁業者が自主的に漁獲量を規制し、好天に恵まれて出漁が安定したことが主な要因とされています。
全体の水揚げと金額動向
ズワイガニ全体の水揚げ量は610トンで、前シーズン比14%増加しました。一方、水揚げ金額は21億2988万円と3%減少し、1キロあたりの平均単価は3490円で15%低下しています。雄の松葉ガニに焦点を当てると、金額は13億4280万円で6%減、平均単価は5028円と41%減少し、昨シーズンの約6割程度にとどまりました。
雌の「親ガニ」は318トンで5%減少したものの、金額は7億3649万円と1%増加、平均単価は2315円で7%上昇しました。また、脱皮して間もない雄の「若松葉ガニ」は25トンで26%減少し、金額は5058万円で8%減、平均単価は2020円と23%増加しています。
トップブランド「五輝星」が過去最高単価を記録
高級ブランドとして知られる「五輝星」は、1匹あたりの平均単価が10万1553円と、ブランド化が始まった2015年度以降で過去最高を達成しました。水揚げされたのは132匹で前シーズンより26匹減少しましたが、水揚げ金額は1340万円、最高額は1匹100万円に達しました。
資源回復の背景と今後の取り組み
県漁業調整課の担当者は、雄の水揚げ量増加について、漁業者が甲羅の幅による漁獲制限を国の基準よりも厳格に自主規制し、資源が回復傾向にあったことを指摘しています。さらに、漁期前半を中心に天候が良く、しけが少なかったため、安定的に出漁できたことも貢献しました。
今シーズンの漁期は2025年11月6日から2026年3月20日までで、沖合底引き網漁船23隻が操業しました。県は「引き続き将来を見据えた資源管理に取り組む」と表明し、持続可能な漁業を目指す姿勢を強調しています。
日本海ズワイガニ五府県PR協議会の発足
ズワイガニの魅力を広く発信するため、昨年10月には「日本海ズワイガニ五府県PR協議会」が発足しました。鳥取県や京都府など日本海側の5府県の漁業者団体や行政機関で構成され、全国底曳網漁業連合会が事務局を務めています。
協議会は、出港や水揚げ、選別の様子を約1分にまとめた動画を作成し、県境港水産事務所の公式インスタグラムで公開しています。また、県と県沖合底曳網漁業協会が作成したのぼりには、5匹のズワイガニをあしらった共通ロゴが使用され、食文化の発信や資源保護への思いが込められています。こののぼりは、昨年11月に鳥取港で開催されたズワイガニの初競りでお披露目されました。
全体として、松葉ガニの水揚げ増加は、自主規制と好条件が相まって資源回復に寄与した好例と言えます。県や漁業関係者は、今後も持続可能な漁業を維持するため、積極的な取り組みを続けていく方針です。



