鹿児島の老舗「ほんやラーメン」、常連客らが昭和の味を再現し再オープン
鹿児島の老舗ラーメン店、常連客が味再現し再オープン

鹿児島の老舗ラーメン店がファンの手で復活

2025年4月に惜しまれつつ閉店した鹿児島市の老舗ラーメン店「ほんやラーメン」が、常連客や熱心なファンたちの尽力によって、今春に見事に再オープンを果たしました。復活に携わる関係者たちは「昔懐かしい昭和の味を守り続けたい」と強い意気込みを語っています。

貸本屋からラーメン店へ

「ほんやラーメン」というユニークな店名は、店舗の前身が貸本屋だったことに由来しています。店が位置していた鹿児島市上本町はJR鹿児島駅に近く、昔から学生が多い地域として知られていました。ある時、空腹の学生に店主がラーメンを提供したところ、これが大変好評だったため、業態を変更することを決意。1962年、正式にラーメン店として開業することになったのです。

60年以上愛された伝統の味

豚骨と鶏ガラをベースにしたシンプルで昔ながらの鹿児島ラーメンは、60年以上にわたって地域の人々から深く愛されてきました。しかし、店主が介護に専念する必要が生じたため、2025年4月に残念ながら閉店を余儀なくされました。

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常連客であり、開業時から同店に麺を卸していた福山食品(日置市)の福山照康社長(77歳)は、人手不足に悩む店舗の運営を社員が手伝うなど、長年にわたり存続をサポートしてきました。突然の閉店を受け、「この味を絶対に残したい」という強い思いから、福山社長はラーメン愛好家らとともに店の継承計画を立ち上げました。

試行錯誤を重ねた味の再現

「閉店したことを知り、また食べたいと思った」と語るのは、新店舗の店長を務める原口康祐さん(64歳)です。原口さんは高校時代、部活の帰りに仲間とよく通っていたファンの一人でした。店長候補の募集を知り、復刻に携わりたいと自ら手を挙げたのです。偶然にも、店の開業年と同じ1962年生まれであることに運命を感じたといいます。

しかし、飲食店の経営は未経験だった原口さんにとって、味の再現は容易なことではありませんでした。「分量を1グラム変えるだけで味が変わる上に、時間帯によっても味が違う。大変だった」と振り返ります。それでも、昔からのファンに試食してもらいながら試行錯誤を繰り返し、ようやく再現度の高いスープに仕上げることができました。

新たな場所で再スタート

新店舗は鹿児島市小川町の一角に設けられ、3月22日に開業しました。価格はラーメン1杯900円に設定されています。原口さんは「誰でも気軽に通えるような店にして、継承したラーメンで喜んでもらいたい」と語り、地域に再び愛される店を目指す決意を新たにしています。

この復活劇は、単なるビジネスの継承ではなく、地域の味と記憶を守りたいという人々の熱意が結実したものと言えるでしょう。昭和から続く伝統の味が、新たな形で次の世代へと受け継がれていくことになります。

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