能登の魂を背負って 愛知の奇祭に挑む68歳男性の心意気
能登の魂背負い愛知の奇祭に挑む68歳男性 (03.04.2026)

能登の魂を背に、愛知の奇祭に挑む68歳男性の熱き思い

愛知県稲沢市で毎年行われる奇祭「国府宮はだか祭」。ふんどし一つの男たちが体をぶつけ合い、厄を落とすため神男へと手を伸ばす熱気あふれる光景の中に、ひときわ目を引く文字があった。それは「のと」の二文字。石川県能登町出身の松本春男さん(68)の背中に、力強く記されていた。

ふんどしに込めた能登への思い

松本さんのふんどしには、「命 負けるな!能登」とのメッセージも添えられている。群衆の渦に巻き込まれながらも、果敢に神男を目指して挑み続けたその姿は、祭りの興奮の中にあってひときわ輝いていた。最終的に神男を捉えることは叶わなかったものの、松本さんの表情には充実感が満ちていたという。

松本さんは高校卒業後、能登から愛知県稲沢市に移り住んだ。2年前に発生した能登半島地震以降、古里に何度も足を運び、変わり果てた風景に言葉を失った。旧友を失う悲しみも経験した。そんな中で、はだか祭への初参加を決意した背景には、「御利益を届けたい」「俺も能登の力になりたい」という強い思いがあった。

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祭りを通じて古里への支援を

松本さんの心意気は、確かに古里に届いた。能登町の町長から直接、感謝の電話を受けたという。「愛知の人にも能登を忘れてほしくないんです」と松本さんは語る。地震からの復興がまだ道半ばである能登の現状を、祭りという場を通じて多くの人に知ってもらいたいという願いが込められている。

強い意志を宿したその背中を見て、周囲の人々は「かっこいい」と感じたという。伝統的な祭りに参加することで、被災地への継続的な関心と支援を呼びかけようとする松本さんの行動は、地域を超えた連帯の大切さを改めて思い起こさせる。

国府宮はだか祭は、毎年2月に開催される稲沢市の伝統行事。松本さんのように、遠方から参加する人も少なくないが、特に被災地出身者がこのような形で参加する事例は珍しく、祭りの新たな一面を浮き彫りにしている。

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