親鸞自筆の国宝に爪痕「角点」20か所発見、晩年まで経典解釈に情熱
親鸞自筆の国宝に爪痕「角点」20か所発見 (25.03.2026)

親鸞自筆の国宝に爪痕「角点」20か所発見、晩年まで経典解釈に情熱

浄土真宗の宗祖・親鸞自筆の経典注釈書「観無量寿経註(かんむりょうじゅきょうちゅう)」(鎌倉時代、国宝)に、書き手が自らの理解のために爪などでつけた「角点(かくてん)」が20か所あることが明らかになった。所蔵する西本願寺(京都市)などが3月25日に発表した。この注釈書は数十年にわたって親鸞が加筆を続けたことが判明しており、そこに残された痕跡は宗祖の思想に迫る貴重な手がかりといえる。

角点とは何か?

角点は古い経典にみられる文字や線、記号などの印で、先の鋭利なもので紙の表面をへこませてつけられる。墨を使わず一見してわからないことから「隠し字」とも呼ばれる。親鸞の主著で国宝の「教行信証」にも約800か所が確認されており、今回の発見はその研究をさらに深めるものだ。

科学分析による発見の詳細

これまで同注釈書の科学分析は行われたことがなかったが、昨年12月、龍谷大非常勤講師の深見慧隆さん(仏教学)らが様々な角度から光を当てて専用機器で調べたところ、紙の表面に角点とみられるへこみが20か所見つかった。これらの角点は「菩薩(ぼさつ)」「念」などの文字上に付けられており、親鸞が注釈書の中で特に重視した部分と推測される。小刀の背のような道具で付けた鋭い線や、爪のような丸みのあるへこみも確認された。

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文献研究からの裏付け

科学分析の前に行った文献研究では、同注釈書に、親鸞が60歳や79歳の時に刊行された書物からの引用が確認された。書き始めは越後から関東に移った42歳以降とみられ、晩年まで経典の解釈に情熱を傾けていたことがうかがえる。西本願寺で開かれた記者会見で、深見さんは「角点の存在は、親鸞聖人がこの経文を手元に置いて繰り返し読んでいた証拠で、どれだけ重要な書物だったかを示している」と語った。

専門家の見解

大阪大谷大の宇都宮啓吾教授(国語学)は「注釈書は親鸞聖人の研究ノートのようなもので、角点も本人が付けた可能性が高い。なぜその部分に印をつけたのか、今後の分析に期待したい」とコメントしている。この発見は、親鸞の思想形成や経典解釈の過程を解明する新たな一歩となるだろう。

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