愛知県名古屋市守山区にある女子大学の金城学院大学は30日、2028年4月に名古屋学院大学(同市熱田区)の学校法人の傘下に移行し、2029年度をめどに共学化を検討する方針について、学生向けの説明会を初めて開催した。
理事長が直接説明
学校法人・金城学院の小室尚子理事長は、参加した女子学生約70人に対し、「不安に感じることはあると思うが、しっかりと教育を提供し、希望する進路の実現を支えていく」と語りかけた。小室理事長は、今月20日に学校法人・名古屋学院大学と締結した基本合意の内容を説明し、「金城学院大学が大切にしてきた教育を将来にわたって発展させていくための方針です」と訴えた。
説明会の冒頭、「まず最初に、一番大切なことをお伝えします」と切り出した小室理事長は、「大学が何よりも大切にしていることは、皆さんの学びを守ることです」「金城学院大学の教育を終わらせようとしているものではない」と強調。「キャンパスや学部学科の配置も、急に何か変わることは全く予定していない」と述べた。
女子大への風当たり
統合の理由について、小室理事長は「最近は女子大学への風当たりが強くなってきた」と声を落として説明。その上で「今まで通り、毎日の授業、課題、実習、研究、学生生活にしっかりと取り組んでほしい」と呼びかけた。
2029年度の共学化方針については「まだ決まっていることではない」としつつ、「女子教育の伝統を継承しながら多様性を大事にし、主体的に行動できる人を育てるという目標の下で踏み切ることになるかもしれない」と述べた。
校名変更は当面なし
将来的に大学が統合し、校名が統一される可能性については、「今、金城学院大学の名前が失われることはありません」と、当面の変更はないと強調。ただ、「この計画は『名古屋学院大学と一緒に新しい大学づくりをしていきましょう』というもの」と語るにとどめた。
説明会はキャンパス内の300人収容の大講義室で行われ、質問や発言をした学生はいなかった。金城学院大学は学生向けの説明会に先駆け、28日に教職員向けの説明会を開催。5月以降も学生や卒業生への説明の機会を設ける。
統合計画の背景
金城学院大学と名古屋学院大学の両学校法人は29日、金城学院大学の運営者(設置者)を学校法人・名古屋学院大学に変更する基本合意書を締結したと発表した。関係者によると、金城学院大学を共学化した上で、将来的に金城学院大学を名古屋学院大学に統合する検討を進めている。
OGの思い
金城学院大学出身で、浅田真央さんらを育てたフィギュアスケートコーチの山田満知子さん(82)は今回の計画について、「金城は女の子のお城というイメージだったので、共学化検討の記事を見た時は正直ショックだった」と話した。
高校から金城に通い、大学では家政学部の第1期生だった山田さんは、「当時は大学の前に彼女を迎えに来る男性の車が並び、赤い屋根の短大はメルヘンチックでほんわかした雰囲気。中学から金城の子は『純金』と呼ばれ、公立中から来た私にとってはすごくすてきな学校に見えた」と懐かしむ。母校への愛着から自らの娘も中学から入学させたという。
指導者として男女ともに選手を育ててきた経験から「男女の区別が少なくなり女子大学は難しい時代。大学くらいは共学で多様な価値観を学ぶのは良いこと」と、時代の変化に理解は示す。ただ、金城学院の雰囲気や名前は卒業生も大切にしているといい、「金城らしさは残して」と願った。



