愛知県みよし市、県内初の電子投票導入へ 全国各地で再び広がる動き
愛知県みよし市、県内初の電子投票導入へ

愛知県みよし市は、市議選と市長選において電子投票を導入する方針を固めた。市への取材で明らかになった。来年4月に予定されている市議選から実施される見込みで、実現すれば愛知県内では初めての事例となる。

電子投票再興の背景

電子投票は2002年に地方選挙に限って解禁され、2016年までに全国10市町村の計25選挙で実施された。しかし、機器のトラブルが相次いだため、各自治体は実施を取りやめ、一時は下火となった。転機は2020年、総務省が電子投票に使用する端末の条件を緩和し、市販のタブレット端末の使用を認めたことにある。これにより、導入のハードルが大幅に下がった。

2024年末の大阪府四條畷市長選で8年ぶりに電子投票が採用され、無事に実施されたことが追い風となった。この成功を受け、追随する自治体が増えている。2025年3月には宮崎県新富町の町議補選で九州初の電子投票が行われ、全国から約30人の自治体職員や議員が視察に訪れた。

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新富町の事例

新富町の町議補選では、有権者約1万4千人のうち電子投票分3603票の集計が22分で完了。郵送の不在者投票と合わせた結果確定まで42分と、従来の半分の時間で済んだ。開票作業の職員も12人と、従来の4割に削減された。システム開発を委託した京セラのアンケートでは、投票者の95%が「満足」と回答し、88%が次の選挙でも電子投票を希望した。

期待されるメリットと課題

各自治体が電子投票に期待するのは、開票業務の負担軽減と、手書きによる疑問票や無効票の解消である。端末に表示された候補者名から選ぶ方式では、記載ミスが発生しないため、有権者の意思を正確に反映できる。美濃加茂市の担当者も「有権者の意思を正しく反映できる」と強調する。

一方で、課題も残る。四條畷市長選や新富町議補選はいずれも候補者2人の一騎打ちだったが、候補者が多い議員選挙では、端末画面に氏名を公平に表示できるかが問題となる。美濃加茂市選挙管理委員会は、五十音の頭文字入力で候補者を絞り込む方式などを検討している。

コスト面では、新富町議補選の事業費1774万円のうち、京セラへの委託料が1150万円を占め、前回の町議選の945万円から約2倍に膨らんだ。また、バリアフリー対策も課題で、市販タブレットにはかつての専用端末にあった音声読み上げ機能がなく、視覚障害者は代理投票を余儀なくされる。

今後の展望

それでも、拓殖大学の河村和徳教授(政治学)は「広がりはこれから。継続実施が普及の鍵だ。障害者対応などを充実させ、投票機会の保障が強調されれば、検討する自治体も業者も増えるのではないか」と期待する。

みよし市は、投票の利便性向上や開票作業の迅速化、事務効率化を目的に、市議会9月定例会に関連条例案と予算案を提出する予定だ。電子投票では、開票所に設置したタブレット端末に表示された候補者名をタッチペンで選ぶ方式を採用。自動集計により瞬時に開票が完了するため、記名式と比べて集計時間が大幅に短縮されるほか、記載ミスや疑問票がなくなり、民意を確実に反映できるとしている。

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