さいたま市、新庁舎基本設計を公表 事業費は769億円
さいたま市は28日、市役所移転に伴う新庁舎整備の基本設計を正式に発表した。概算事業費は約769億円に上り、昨年秋に公表した素案段階から約1割増加した。この背景には、物価高騰の影響や工期延伸による経費増加がある。市は実施設計を経て、来年度末に工事を開始し、2031年度の移転を目指す方針だ。
新庁舎の概要と特徴
計画地はさいたま新都心地区の大宮区北袋町1で、敷地面積は約1万5千平方メートル、延べ床面積は約6万4千平方メートルとなる。建物は地下1階、地上19階建てで、防災中枢拠点としてヘリポートを整備するほか、非常用発電設備や受水槽を設置し、最大7日間の事業継続を可能とする。また、市民が集える広場も設けられる。
事業費の内訳とコスト抑制策
事業費の内訳は、解体工事を含む工事費が約705億円、調査・設計費が約29億円、移転費が約35億円。素案からの増加分は約70億円で、物価上昇によるコスト増が約30億円、工期延長による経費増が約7億円、調査・設計費の増加が約4億円などとなっている。
一方、市はコスト抑制策として、高層部の壁面緑化を取りやめ、外装形状を統一した。さらに、展望施設をヘリポート下に集約し、地下部分の掘削量を減らすなどの変更により、約16億円の削減を図った。
発注方式の変更と今後の予定
市は、近年相次ぐ入札不調のリスクを軽減するため、実施設計と施工を一括発注する従来方式から、施工工種別に分離発注する方式に変更する方針も示した。完成後の新庁舎を体感できる基本設計の完成展示会を、5月22日と23日に建設地のさいたま新都心バスターミナルで開催する予定。
清水勇人市長は28日の定例記者会見で、「課題もあるが、一つ一つクリアしながら市のシンボルとなる市役所をしっかりと実現したい」と述べ、国の補助金などを活用して市の実質的な財政負担を軽減する考えを示した。



