戦火を越えて100年 名古屋の理容室「HAIR LIFE BAZ」 親子4代で弟子20人独立
名古屋の理容室100年 戦火越え親子4代で継承 (06.03.2026)

戦火をくぐり抜け100年 名古屋の理容室が歩んだ歴史

名古屋市中村区大秋町に位置する理容室「HAIR LIFE BAZ」が、1926年の創業からついに100周年の節目を迎えました。この店舗は、第二次世界大戦の戦火を生き延び、戦後には進駐軍の兵士の髪を切るなど、激動の時代を乗り越えてきました。現在は3代目の日置茂さん(68歳)を中心に、家族と弟子たちが店を支えています。

遊郭での顔そりから始まった創業の物語

初代の日置安吉さんは、現在の岐阜県郡上市から名古屋市に移り住み、遊郭で働く女性たちの顔そりをすることで生計を立てていました。その後、遊郭が名古屋市中区大須から中村区大門地区に移転したことを機に、店を開業。毎日前進するという願いを込めて、「日進館」と名付けたのです。

第二次世界大戦時には、2代目の明さんが三菱重工に勤労動員されたり、徴兵されて特攻隊の訓練を受けたりするなど、困難な時代を経験しました。戦争の影が色濃く残る中でも、店は営みを続けました。

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3代目の茂さんが築いた新たな基盤

現在の店主である3代目の茂さんは、東京都内で6年間にわたって美容師として修業を積み、20代半ばで店を受け継ぎました。高校卒業後すぐに交通事故で重傷を負い、後遺症も抱えながらも、借金をして店舗を新築。かつては特待生として高校に進学し、野球に打ち込んだ経験を持つ茂さんは、「丈夫な体があったからこそ、ここまで続けてこられた」と笑顔で振り返ります。

茂さんはこれまでに20人の弟子を育て、独立させてきました。現在は、次男の剛志さん(33歳)と弟子の園田ひとみさん(46歳)の3人で店に立ち、日々の業務に励んでいます。

後継者不足の中での貴重な100年

県理容生活衛生同業組合(名古屋市)によると、愛知県内には現在約1700店の理容室がありますが、後継者不足などの影響で、ピークだった1990年代の約5300店から約3割にまで減少しています。このような状況の中で、100年以上続く店舗は非常に珍しい存在です。

昨年には100周年を記念して、店の歴史を記した紙とトートバッグ500枚を常連客らに贈呈。今年は店の前に「101年目のありがとう」というイラストを貼り、感謝の気持ちを表現しています。

4代目へのバトンタッチと未来への展望

4代目を担う剛志さんは、「父の思いをしっかり引き継いでいきたい」と決意を語ります。散髪などは予約制で行われており、これからも地域に愛される店としての役割を果たしていく方針です。

戦火や時代の変遷を乗り越え、親子4代にわたって受け継がれてきた「HAIR LIFE BAZ」。その100年の歴史は、名古屋の街と共に歩んできた証であり、これからも続く物語の始まりです。

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