紙幣の図柄に秘められた職人技 工芸官の高度な技術を間近で体感
大分県中津市歴史博物館では現在、紙幣の製造に用いられる高度な技術を紹介する企画展が開催されています。この展示では、国立印刷局の専門職員である「工芸官」が手作業で行う繊細な彫刻や彩紋画など、約30点の作品が並んでいます。会期は4月19日までで、入場は無料です。
福沢諭吉のふるさとで紙幣の芸術性を学ぶ
この企画展は、2024年までの約40年間、1万円札の肖像として親しまれた福沢諭吉の出身地である中津市で、紙幣の図柄がどのように作成されているかを知ってもらうことを目的としています。国立印刷局と同館が共同で企画し、紙幣やパスポートなどの製造過程における同局の役割も解説しています。
紙幣の原版制作は、工芸官が彫刻刀などを用いて手作業で行っており、人物の顔を彫るには20年もの経験が必要とされています。展示では、幅わずか1ミリの隙間に線を10本引くという驚異的な細かさの彫刻に使用される彫刻刀や、紙幣の背景に使われる幾何学模様「彩紋」を応用して描かれたカニなどの絵画、光を当てると福沢諭吉旧居が浮かび上がるすかし入りの紙など、多様な作品が並んでいます。
日常では気づかないお札の技術的価値
吉川和彦副館長は、「日頃は作品としてじっくり見る機会の少ないお札に、これほど高い技術が詰まっていることを多くの方に知ってほしい」と語っています。この展示を通じて、紙幣が単なる通貨ではなく、芸術的価値と職人技の結晶であることを再認識できるでしょう。
博物館は月曜日が休館日となっており、詳細な問い合わせは同館(0979-23-8615)まで可能です。この機会に、紙幣の裏側に隠された技術の世界を探求してみてはいかがでしょうか。



