吉野ヶ里遺跡に「魅せる収蔵庫」構想、佐賀県が東京大学と連携協定を締結
佐賀県は、国特別史跡・吉野ヶ里遺跡(同県神埼市、吉野ヶ里町)を中心とした出土品を収蔵したまま展示できる新たな「魅せる収蔵庫」の整備を目指し、来年度から本格的に動き出します。この計画の一環として、県は東京大学総合研究博物館と連携協定を結び、収蔵庫の基本構想や計画の策定に着手しました。
膨大な出土品の現状と課題
県文化課文化財保護・活用室によると、吉野ヶ里遺跡関連の出土品は土器や甕棺などコンテナ約1万7400箱分にのぼり、県内全域では約5万箱分に達しています。これらの多くは県内3か所の収蔵庫と遺跡内の展示室に収蔵されていますが、一般公開される機会は限られており、大半はほとんど目に触れることがありません。
さらに、既存の収蔵庫と展示室は満杯状態で老朽化が進んでおり、出土品が多すぎて調査が進んでいないものも少なくありません。このような状況を打破するため、県は新たな施設の整備を計画しています。
「魅せる収蔵庫」の構想と予算措置
県が構想する「魅せる収蔵庫」は、膨大な文化財資料を収蔵しながらも展示機能を兼ね備えた施設です。来年度の当初予算には整備検討事業として2800万円が計上され、収蔵品の価値と数量で来場者を魅了できるような施設を目指します。建設予定地は吉野ヶ里歴史公園の隣接地が想定されており、完成時期は未定です。
東京大学との連携協定の内容
佐賀県と東京大学総合研究博物館が18日に結んだ連携協定には、基本構想の受託研究に関する事項や出土品の分析研究についての協力が盛り込まれました。同博物館の西秋良宏館長は「『魅せる収蔵庫』の提案を受け、チャレンジしてみようと考え、今回の協定に臨んだ」と述べ、博物館ならではの科学的な研究ノウハウを活かし、吉野ヶ里遺跡の収蔵品の価値を高める新しい発見を目指す意向を示しました。
山口知事は「一緒になって、吉野ヶ里を通じて多くの人が日本や世界の古い時代に心を寄せるような誘導路にしたい」と語り、このプロジェクトが歴史への関心を深めるきっかけとなることを期待しています。
この取り組みは、文化財の保存と活用を両立させ、地域の歴史遺産をより多くの人々に伝えるための重要な一歩となるでしょう。佐賀県と東京大学の連携により、吉野ヶ里遺跡の魅力がさらに広がることが期待されています。



