戦時下の金属供出を伝える「国策ポスト」、三重県唯一の現存品を楽曲と映像で次代へ継承
戦時下の金属供出「国策ポスト」、三重県唯一の現存品を映像で継承

戦時下の金属供出を物語る「国策ポスト」、三重県唯一の現存品を楽曲と映像で次代へ

戦時中の金属不足に伴って設置され、三重県津市美杉町奥津の美杉小学校に県内で唯一現存するコンクリート製の郵便ポスト「国策ポスト」。この貴重な歴史資料を次代に語り継ぐための楽曲と映像が、YouTubeで公開されました。制作に携わった野田啓子さん(63)は、「多くの人にこの貴重な存在を知ってもらいたい」と語っています。

3人の協力で生まれた楽曲と映像

手紙の良さを伝える活動に取り組む野田さんが国策ポストの存在を知り、弱視のハンデを抱えながら作曲を続ける小堀正一さん(69)、写真家の堀田祐治さん(62)と協力して楽曲と映像を制作しました。今年1月にYouTubeで公開された楽曲は、「美杉のポストからあなたへ」と「国策ポストの思い」の2曲で、計3バージョンが用意されています。

「国策ポストの思い」では、「夢と笑顔を 運んだあの日 姿あらわす 激しき戦 武器となるため 消える金物 玩具も釜も皆 差し出して」という歌詞がつけられ、戦時下の厳しい状況を表現しています。一方、「美杉のポストからあなたへ」では、子供たちが口ずさみやすいよう、優しい曲調に仕上げられています。

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ドローンを活用した撮影で歴史的風景を収録

映像の撮影では、昨年全線開業90周年を迎えたJR名松線を走る列車を風景に取り込むため、ドローンも使用されました。これにより、国策ポストが置かれる地域の歴史的景観をより広く捉えることに成功しています。

国策ポストの歴史的背景と現状

市教育委員会によると、先の戦争では兵器増産のため金属類が供出されました。国策ポストは、回収された鉄製ポストの代用品として、日中戦争が始まった翌年の1938年ごろから全国に設置されたとされています。

美杉小学校の国策ポストは、当初同市美杉町八知の店舗近くにあり、旧八知小学校を経て、現在の美杉小に移されました。高さ約1.3メートルで朱色に塗装されていますが、長い年月が経過し、所々はがれ落ちている状態です。

制作者の思いと時代背景への理解

野田さんは、「手紙は今、何でも書けるようになったが、軍事郵便では検閲もあり、1通を出すのにも苦労した。そういう時代背景のもとに置かれた国策ポストのことをもっと知ってもらいたい」と強調しています。動画は小堀さんの動画チャンネルなどで公開されており、戦時下の歴史を現代に伝える貴重な資料として注目を集めています。

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