岡山の伝統行事で悲劇 裸祭り事故で参加者が死亡
岡山市東区の西大寺観音院で2026年2月に開催された「西大寺会陽(さいだいじえよう)」、通称「裸祭り」で発生した事故で、意識不明の重体となっていた参加者3人のうち、1人の男性が死亡したことが9日、岡山県警の発表により明らかになった。亡くなったのは岡山市東区松新町在住の会社員、高谷純さん(48)で、死因は低酸素脳症と診断されている。
事故の詳細と被害者の状況
この伝統的な祭りでは、締め込み姿の男性たちが福を象徴する「宝木(しんぎ)」を奪い合う激しいやり取りが行われるが、その最中に3人の参加者が意識を失う事態が発生した。県警によると、意識不明となった3人のうち、岡山県美作市在住の40代男性は既に意識を回復しており、経過観察中であるという。しかし、残る1人の参加者は依然として意識不明の状態が続いており、医療チームによる懸命の治療が行われている。
西大寺会陽は国の重要無形民俗文化財に指定されている歴史ある行事で、毎年多くの参加者と観客が集まる地域の重要な祭りである。しかし、今回の死亡事故を受けて、祭りの安全対策の見直しが急務となっている。過去にも同祭りでは事故が発生しており、主催者側は「中止を含めたあらゆる可能性を検討する」とコメントしている。
低酸素脳症とは
死因とされた低酸素脳症は、脳への酸素供給が不足することで脳細胞が損傷を受ける重篤な状態を指す。群衆の中で圧迫されたり、呼吸が困難になる状況が長時間続くと発症リスクが高まる。祭りやイベントにおける群衆管理の重要性を改めて浮き彫りにする結果となった。
地元関係者や参加者からは、伝統を守りつつも安全を最優先する対策の必要性が指摘されている。今回の事故は、熱狂的な行事においても参加者の生命と安全をいかに確保するかという普遍的な課題を提起している。



