戦争の記憶を詩に託す朗読会、福岡で開催 ウクライナ侵略も題材に
平和への思いを継承しようと、著名な詩人や福岡県詩人会のメンバーが戦争への思いを詠んだ詩の朗読会が8日、同県の小郡市生涯学習センターで開催された。県詩人会と市教育委員会の主催により、約50人が参加し、戦争の記憶と現代の国際情勢を詩を通じて振り返った。
青い目の人形の物語と戦争の悲劇
朗読に先立ち、戦前に日米友好の使者として米国から贈られたものの、戦時中に多くが処分された人形の物語を描いた「青い目の人形大使と渋沢栄一」(海鳥社)の著者、熊谷紀代さん(85)(小郡市)が講演を行った。熊谷さんは、県内に残る3体の人形がどのようにして処分を免れたのかを詳しく説明し、戦争の悲劇と平和の尊さを語った。
さらに、熊谷さんは旧満州(現・中国東北部)で両親を亡くし、行方がいまだに分かっていない妹への思いを詩に託し、「あなたの縁はたった一枚の写真のみ 今も私の心に生きている 妹よ 私の旅は終わらない」と詠んだ。この詩は、戦争による家族の離散と失われた命への深い哀悼を表現している。
太平洋戦争からウクライナ侵略まで
その後、県詩人会や筑前町立大刀洗平和記念館の朗読部会のメンバーが、太平洋戦争の戦地ルソン島(フィリピン)を訪問した時の体験や、ロシアのウクライナ侵略を題材にした詩を披露した。参加者たちは、過去の戦争から学ぶべき教訓を現代の紛争に結びつけ、平和へのメッセージを強く発信した。
県詩人会の吉貝甚蔵代表幹事(67)は、「現在の世界情勢の中で、過去の戦争から何が学べるか考えるきっかけにしたい」と述べ、朗読会の意義を強調した。このイベントは、戦争の記憶を風化させず、平和への意識を高める重要な機会となった。
朗読会では、以下のようなテーマが取り上げられた:
- 戦争による家族の離散と悲しみ
- 歴史的な友好の象徴である青い目の人形の物語
- 太平洋戦争の戦地での体験談
- ウクライナ侵略を反映した現代の詩作品
参加者からは、戦争の恐ろしさと平和の大切さを再認識する声が多く寄せられ、今後の継続的な活動への期待が高まった。この朗読会は、地域社会における平和教育の一環として、今後も定期的に開催される予定である。



