宮崎県遺族会館内の平和祈念資料展示室、移設を含めたあり方を検討へ
宮崎県遺族会館(宮崎市)内に設置されている県平和祈念資料展示室について、県は来年度、移設を含めた施設のあり方を検討する方針を明らかにした。会館は建設から半世紀以上が経過し、老朽化が進んでいる上、所有する県遺族連合会の資金難も背景にある。同連合会は既に建物と土地の処分を決めており、展示室の将来が注目されていた。
戦争の記憶継承は重大な責務と知事が答弁
2月27日の県議会定例会で、展示室の今後に関する坂口博美議員(自民党)の代表質問に対し、河野知事は「戦争の記録や記憶を継承していくことは、今を生きる私たちに課せられた重大な責務」と答弁した。その上で、来年度に有識者や関係団体などで構成する検討会を設置する考えを示し、「移設を含めた施設のあるべき方向性について検討を行い、ご遺族や関係者の思いにしっかりと応えていけるよう取り組む」と述べた。
約2300点の遺品を保管、平和学習にも活用
展示室は県の委託を受けた県遺族連合会が運営しており、出征した兵士の遺品や遺書など、常設の約300点を含めて約2300点を保管している。平和学習などの際には貸し出しも行っており、教育現場での活用が進められている。
同連合会の鎌田伸次事務局長は「県として(移設を含めた)検討をしていただけるのは非常にありがたい」と県の動きを歓迎。同会は県の委託を受けて県内の学校に語り部を派遣する活動なども行っており、「会としても引き続き展示室の運営や平和学習などの活動を続けていきたい」と話している。
この検討会の設置により、戦争の記憶を後世に伝えるための新たな枠組みが模索されることになる。老朽化した施設の課題を克服し、平和祈念資料の適切な保存と展示方法が議論される見通しだ。



