函館の旧相馬家住宅が高級ホテルに生まれ変わる 1日3組限定で3月開業
旧相馬家住宅がホテルに 1日3組限定で3月開業

函館の歴史的建造物がホテルに生まれ変わる

北海道函館市元町に建つ国の重要文化財「旧相馬家住宅」が、2026年3月1日から1日3組限定の高級ホテルとして新たな歴史を刻み始めます。名称は「旧相馬家 KAZENO HERITAGE(風のヘリテージ)」で、明治時代の豪商の私邸が現代の宿泊施設として蘇ります。

解体の危機を救った前オーナーの思い

この住宅は、幕末から明治期にかけて活躍した豪商・初代相馬哲平(1833~1921年)の私邸として1908年に建造されました。近隣には旧函館区公会堂や旧イギリス領事館など歴史的建造物が点在するエリアに位置しています。

バブル期以降、函館の古民家は次々に取り壊される中、2008年には旧相馬家住宅も競売にかけられ、解体の危機に直面しました。この歴史的建造物を寸前で救ったのは、前オーナーの東出伸司さん(86)でした。文化財としての価値に惚れ込んだ東出さんは、解体阻止を目的に2009年に購入。翌2010年以降は毎年春から秋にかけて一般公開を続けてきました。

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2018年には母屋と土蔵が国の重要文化財に指定され、その価値が正式に認められました。東出さんは約16年間にわたり所有を続けましたが、高齢のため管理が困難になり、不動産クラウドファンディング事業を行う東京都内の企業に売却しました。

歴史的建造物の活用に取り組む運営会社

現在、同住宅の管理運営を行っているのは、京都を拠点とする「風のヘリテージ」です。同社は函館市内でレンタル倉庫を改修したホテル「NIPPONIA HOTEL函館 港町」を運営するなど、歴史的建造物の活用に積極的に取り組んでいます。

延べ床面積680平方メートルの住宅のうち、土蔵と増築部分を客室として改装しました。客室は以下の3タイプが用意されています:

  • 定員4人のフラットタイプ(72平方メートル)
  • 定員3人のメゾネットタイプ(121平方メートル)
  • 定員2人のフラットタイプ(49平方メートル)

高級ホテルとしての料金体系

料金は49平方メートルの客室の場合、大人2人素泊まりで87,120円、朝食付きで91,960円などとなっています。公式サイトでは既に予約受付が開始されており、1日3組限定という希少性から早期の予約が期待されます。

このプロジェクトは、単なる建物の保存だけでなく、実際に使用されることで歴史的建造物に新たな命を吹き込む試みとして注目されています。函館の歴史的景観を形成する貴重な文化財が、現代のホテルとして活用されることで、より多くの人々にその価値を伝える機会が生まれます。

歴史的建造物の保存と活用の両立を目指すこの取り組みは、全国の類似事例にとって重要なモデルケースとなる可能性を秘めています。函館の街並みを彩る旧相馬家住宅が、ホテルとして新たな歴史を刻み始める3月1日が待たれます。

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