大阪松竹座の閉館を前に、歌舞伎役者が道頓堀で「お練り」を実施
大阪松竹座が2024年5月に閉館するのを前に、歌舞伎の人気役者たちが3月29日、劇場のある大阪・道頓堀で「御名残道頓堀お練り」を行いました。この伝統的な行事は、長年にわたり歌舞伎文化を支えてきた劇場への感謝と、地域への別れの思いを込めて実施されました。
人間国宝の片岡仁左衛門さんが人力車で登場
おはやしの音色とともに、のぼりを掲げた人力車が道頓堀の約700メートルをゆっくりと進行。多くの観光客や地元のファンが沿道に集まり、スマートフォンを向けてこの歴史的な瞬間を記録しました。人力車には、人間国宝である片岡仁左衛門さん(82歳)が乗車し、芝居街への深い感謝の思いを込めて、集まった人々の歓声に手を振って応えました。
劇場前での式典で迫本淳一会長が挨拶
劇場前で行われた式典では、松竹の迫本淳一会長が「いったん劇場の伝統を閉じることになります。これまで歌舞伎を愛してくださったお客さま、本当にありがとうございました」と挨拶し、閉館の決断に込められた思いを語りました。これに対し、片岡仁左衛門さんは「道頓堀にまた新たな劇場が建つことを心から祈念して」と述べ、参加者全員で手締めを行い、劇場の未来への願いを共有しました。
地域の文化遺産としての松竹座の役割
大阪松竹座は、長年にわたり道頓堀の芝居街を象徴する劇場として、数多くの歌舞伎公演を開催してきました。今回の閉館は、建物の老朽化や再開発計画に伴うもので、地域の文化遺産としての役割に一区切りをつけることになります。関係者やファンからは、惜別の声とともに、今後の再建への期待が寄せられています。
この「お練り」は、劇場と地域との絆を再確認する機会となり、歌舞伎文化の継承と発展への強いメッセージを発信しました。多くの参加者が、伝統芸能の魅力と地域コミュニティの重要性を改めて実感する一日となりました。



