木曽川鵜飼の鵜匠が半減、34年ぶりの募集で伝統継承へ
愛知県と岐阜県の県境で行われる木曽川鵜飼において、鵜匠の数が4人から2人に半減したことを受け、愛知県犬山市は新たな鵜匠の募集を開始しました。市が鵜匠を公募するのは実に34年ぶりのことで、1300年以上の歴史を持つ伝統漁法の継承が緊急の課題となっています。
鵜匠の減少と後継者育成の必要性
昨シーズンの鵜匠は、市職員として1992年に採用された40歳代の男性3人と、2012年に市観光協会の公募に応じた女性1人の計4人でした。しかし、このうち市職員として雇用されていた2人が昨年11月と今年3月に相次いで退職し、鵜匠の数が半減しました。鵜匠が不在となれば、鵜飼そのものが続けられなくなるため、担い手の養成が急務となっています。
木曽川鵜飼は、幽玄な世界を醸し出す夜の鵜飼だけでなく、昼の鵜飼も楽しめることで知られ、昨シーズンは約1万7000人が観覧に訪れました。この伝統文化を守るため、市は年代が偏らないように定期採用の検討も始めています。現役やOBの鵜匠らが、1300年の歴史ある匠の技を伝授し、新たな後継者を育成する計画です。
鵜匠の訓練と全国的な状況
船上で鵜をたぐり寄せる伝統のアユ漁を身につけるには、訓練に3~4年かかるとされています。新人が採用されても当面は見習いとなるため、鵜匠の半減に伴って出航する船の数は減少する可能性があります。これにより、観光客への影響も懸念されています。
鵜飼は全国11か所で行われており、岐阜市の長良川鵜飼と岐阜県関市の小瀬鵜飼の鵜匠は宮内庁式部職で国家公務員です。犬山市などによると、他の鵜匠は観光協会や船会社の雇用や所属、自営業などとなっていますが、木曽川鵜飼は伝統文化の継承を目的に市職員の身分で地方公務員となっています。この点が、後継者不足への対応をより緊急性の高いものにしています。
募集の詳細と今後の展望
今回の募集は4月10日まで行われ、7月1日付での採用を予定しています。問い合わせは市総務課(0568・44・0302)まで。犬山市は、この募集を通じて、木曽川鵜飼の伝統を次世代へと引き継ぎ、地域の文化遺産を守り続けることを目指しています。鵜匠の減少は、全国的な伝統文化の後継者問題を浮き彫りにしており、持続可能な継承策が求められています。



