ウクライナ避難女性が伝統工芸品販売で戦禍の職人を支援、大阪で展示会も開催
ウクライナ避難女性が工芸品販売で職人支援、大阪で展示会

ウクライナ避難女性が伝統工芸品販売で戦禍の職人を支援、大阪で展示会も開催

日本に避難中のウクライナ出身の女性が、生活に苦しむ母国の職人たちを支援するため、民族衣装や伝統工芸品の販売事業を立ち上げています。ロシアによる侵略から4年が経過する中、この取り組みは職人たちに安定した収入をもたらし、ウクライナ文化の魅力を広める役割も果たしています。

オンラインショップで約500点の商品を販売

オンラインショップ「UA.Designer」では、ウクライナの伝統的な工芸品や民族衣装を約500点取り扱っています。商品には、幾何学模様の刺しゅうが特徴的な民族衣装「ヴィシヴァンカ」、ユネスコ無形文化遺産に登録されている装飾画「ペトリキウカ塗り」を施した皿、紐で作られるお守り人形「モタンカ」などが含まれます。価格は数千円から数万円まで幅広く設定されており、購入者の多くは日本人です。

これらの商品は、首都キーウ近郊や南部ザポリージャ州など、空襲の危険にさらされながら作業に取り組む職人たちによって手作りされています。停電や不安定な状況の中、職人たちは十分な作業時間を確保できず、ウクライナ国内での取引も困難な状況です。ショップは、こうした職人たちの生活を支えることを目標としており、受注量に応じて月8万から10万円の収入を得る職人もいます。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

アナスタシアさんと高見さんの出会いと事業の始まり

ショップを経営するのは、ウクライナ東部ドニプロ市出身のアナスタシア・ストラシコさん(27歳、兵庫県小野市在住)と、高見翔希さん(29歳、同)です。アナスタシアさんはキーウの国立大学で日本語や日本文化を学び、侵略後の2022年10月に戦禍を逃れて長崎大学に留学しました。日本ではウクライナ文化が誤解されることもあり、文化を伝えたいと考えていた彼女は、東欧での貿易経験を持つ通訳ボランティアの高見さんと出会い、意気投合しました。

2人は2023年9月にショップをオープンし、現地に足を運んで受注体制を整えました。約2年半が経過し、販売は軌道に乗りつつあります。民族衣装は日本人向けに小さなサイズで制作を依頼し、日本の気候に合わせて麻やレーヨンを使用した通気性の良いものも用意しています。

購入者からの好評と職人たちの喜び

購入者からは「丁寧に作ってあり、職人さんの思いがこもっているようです」「優しさあふれる手描きの装飾が素晴らしい」といったメッセージが多く寄せられています。東部ペトリキウカ村で装飾画づくりに励むヴァレンティーナ・ホメンコさん(71歳)は、高見さんを通じて「この困難な時期に生活を支える力となっている」と回答し、日本での評判を聞いて「同情だけではなく、作品を魅力的だと思ってもらえて、買ってもらえるのはとてもうれしい」と喜びを語りました。

大阪での展示会で文化を身近に

より多くの人にウクライナ文化を身近に感じてもらうため、アナスタシアさんと高見さんは今月上旬、大阪市中央区の高島屋大阪店で「ウクライナ伝統工芸展」を開催しました。会場を訪れた神戸市北区のパート従業員(65歳)は「明るい気分になれる素敵なデザインばかり。命の危険にさらされながらも良いものを残そうと頑張っていることに感動した」と感想を述べました。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

高見さんは「事業化することで、戦争の終わりが見えないウクライナを長く支え、伝統や文化を守れる」と力を込めます。アナスタシアさんも「ウクライナの文化をもっと知って、好きになってもらえれば。どうかウクライナのことを忘れないでほしい」と訴えています。この取り組みは、戦禍の中でも文化を守り続ける職人たちの希望の光となっています。