福島県の日本酒、全国新酒鑑評会で金賞20銘柄、2年連続13度目の日本一達成
福島県、全国新酒鑑評会で金賞20銘柄、2年連続日本一

「日本酒王国ふくしま」の技術力と品質の高さを改めて裏付ける快挙に、祝杯を挙げたい。2025酒造年度(2025年7月~2026年6月)の日本酒の出来栄えを競う全国新酒鑑評会において、県内蔵元が出品した45銘柄のうち、前年度より4つ多い20銘柄が金賞に選ばれ、合計32銘柄が入賞した。都道府県別の金賞数は全国最多であり、2年連続で13度目の「日本一」を達成した。

困難を乗り越えた技術力

県内各蔵元は本年度、酒の出来を左右する酒米の質が不安定であることに悩まされた。県酒造組合の鈴木賢二特別顧問によると、醸造の過程で米の溶け具合が想定通りにならなかったり、米粒が割れたりするなど、生産管理が例年より難しかったという。蔵元のこれまで培ってきた技術が問われる、非常事態とも言える状況下で、県勢が前年度より多くの金賞を獲得したことは、高い称賛に値する。

県独自の強みを活かして

蔵元それぞれの持つノウハウと、鈴木顧問の指導や杜氏同士の情報交換など、本県独自の強みを生かし、至高の酒を今後も造り続けてほしい。本年度の酒造りでは、米価の高騰も各蔵元に影響した。商品の値上げや容量の見直しなどを迫られる蔵元もあった。蔵元の関係者からは「酒米の価格が数億円単位で増えた」との声が聞かれた。

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支援策と今後の課題

県は米価高騰を受けた支援策として、酒米の購入費について、2024年産から2025年産の価格上昇分の最大2分の1を補助した。それでも、金賞の受賞歴がありながら、米高騰を主な理由に本年度の仕込みを見送った蔵元もあった。次年度は米に加え、醸造に使う燃料などになる原油の高騰が懸念されている。商品の流通や次の仕込みに向けて利益を圧迫する材料が多いのは心配だ。

県産酒のブランド力維持

日本酒は、主食用米やモモなどと並んで、県産品の質の高さを体現する存在だ。鑑評会で高い評価を受け続けていることは、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に見舞われた本県の復興の歩みの象徴でもある。県は県産酒のブランド力維持に向け、蔵元などに適切な支援を講じていくことが重要となる。

消費喚起と品質向上

日本酒の消費量はピークだった53年前の3割にまで低下しているものの、高級酒の需要は国内外ともに堅調だ。県組合の渡部謙一会長は「販売促進には鑑評会に出品する酒に加え、普段飲まれる酒もより品質の高いものを造っていくことが大事となる」と話す。組合や県には鑑評会での評価を生かしながら、国内外の消費者のニーズを捉えた酒造りと消費喚起策の強化が求められる。

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