飛鳥美人の桃色装束に東南アジア昆虫由来の色料を検出、壁画公開は2029年度まで休止へ
飛鳥美人の色料に東南アジア昆虫由来か、公開休止は2029年度まで (25.02.2026)

飛鳥美人の桃色装束に東南アジア昆虫由来の色料を検出、壁画公開は2029年度まで休止へ

歴史文化庁の「古墳壁画の保存活用に関する検討会」が25日に京都市内で開催され、国宝・高松塚古墳壁画(奈良県明日香村)の「飛鳥美人」で知られる西壁女子群像から、昆虫由来の可能性が高い有機色料が検出されたと報告しました。この昆虫は主に東南アジアに生息する「ラックカイガラムシ」とみられ、古代の色彩技術に新たな光を当てる発見となりました。また、壁画の公開を2029年度まで休止する方針も示され、保存対策が強化される見込みです。

新たな分析手法で明らかになった昆虫由来の色料

報告によると、昨年10月に西壁女子群像に対して、光の反射を利用する「可視反射分光分析」を実施しました。これまで、色料としては鉱物などを原料とするものが確認されていましたが、今回の調査では、女性の装束の桃色部分から、新たに昆虫由来の赤系有機色料「エンジ」と類似するデータが得られました。東京文化財研究所の犬塚将英保存科学研究センター長は、「これまでの分析方法では検出されたことがなく、新たな成果と言える」とコメントし、技術の進歩が歴史的解明に貢献していることを強調しました。

ラックカイガラムシの起源と古代の交易ルート

検出された色料は、東南アジアに生息するラックカイガラムシに由来する可能性が高いとされています。この発見は、古代日本と東南アジアとの交易や文化交流を示唆する重要な手がかりとなり、以下の点が注目されます。

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  • ラックカイガラムシは、赤色色素を産生する昆虫で、歴史的に染料として広く利用されてきました。
  • 飛鳥時代の日本で、どのようにしてこの色料が入手されたかは、今後の研究課題です。
  • この発見は、高松塚古墳壁画の制作技術や当時の社会背景を再評価する契機となるでしょう。

壁画公開の長期休止と今後の保存対策

検討会では、壁画の公開を2029年度まで休止する方針も示されました。これは、以下の理由によるものです。

  1. 新たな色料の発見により、さらなる調査と保存処理が必要となったため。
  2. 壁画の劣化を防ぎ、長期的な保存を確保するための措置として。
  3. 公開再開時には、より安全で効果的な展示方法を検討する時間を確保する目的。

この決定は、文化財保護の観点から、慎重な対応が求められることを反映しています。関係者は、休止期間中に保存科学の進展を活用し、壁画の状態を詳細にモニタリングする計画を立てています。

歴史的意義と今後の展望

飛鳥美人の色料に東南アジア昆虫由来の可能性が浮上したことは、古代日本の芸術と技術の高度さを再認識させるものです。また、公開休止により、一時的に一般の目に触れにくくなるものの、将来的にはより充実した形で文化遺産を後世に伝えることが期待されます。この発見は、考古学や歴史研究に新たな視点をもたらし、国際的な学術交流の促進にも寄与するでしょう。

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