翻訳家ポリー・バートン氏、日本文学ブームの持続に翻訳家育成の重要性を強調
翻訳家バートン氏、日本文学ブーム持続へ育成を強調

翻訳家ポリー・バートン氏、日本文学ブームの持続に翻訳家育成の重要性を強調

英国でヒットした柚木麻子さんの小説『BUTTER』の訳者、ポリー・バートン氏(41歳)が来日し、東京都新宿区で取材に応じました。バートン氏は、自身が翻訳した作品がこれほど話題になるのは「奇妙な体験」と語りつつ、英国における日本文学の人気の高まりを実感しています。近年、英国では日本文学が注目を集めており、アニメや漫画、食文化を含む日本文化ブームが背景にあると分析しています。

一過性のブームで終わらせないための取り組み

バートン氏は、「お祭り騒ぎは終わるもの」と指摘し、日本文学の国際的な普及を確実なものにするためには、丁寧な作品選びと翻訳家の育成が不可欠だと強調しました。特に、翻訳家は異文化をつなぐ重要な役割を果たし、市場戦略における作品の性格説明や表紙デザインの助言など、ヒット作を生み出す鍵を握る存在です。そのため、翻訳家育成に投資する時期が来ていると訴えています。

『BUTTER』を通じた日英の文化的差異

『BUTTER』は、ある女性が起こした事件を巡り、男性優位の日本社会の問題を浮き彫りにする作品です。バートン氏によれば、この作品への評価は日英で異なるようです。英国ではフェミニズムがストレートに描かれていると受け止められる一方、柚木麻子さんから「日本ではフェミニズム小説として読まれていない」と聞き、驚いたと語ります。また、若い女性アイドルに熱狂する成人男性の登場人物について、イギリス人には違和感があるものの、作品内では自然に描かれている点を挙げ、共感と違和感の共存が日本文学を読む面白さの一つだと説明しました。

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翻訳家としてのキャリアと後進育成への取り組み

バートン氏は、2012年に文化庁が行った翻訳コンクールで最優秀賞を受賞し、日本財団が英国の大学で実施した翻訳セミナーにも参加するなど、気鋭の翻訳家として活躍してきました。松田青子さんら日本人女性作家の作品を訳し、約10年かけて上昇してきた日本文学人気が、ここ1~2年でブームになったと感じています。今回の来日では、都内で約20人の翻訳家とワークショップを実施し、自身も若い頃にこうした機会から影響を受けた経験を共有しました。仲間との出会いやコネクションの構築が翻訳家にとって重要だと語り、後進育成に努める姿勢を示しています。

バートン氏は、日本文学を世界に届け続けるため、翻訳家の育成と持続的な取り組みの必要性を改めて訴え、異文化理解の架け橋としての役割を果たす決意を表明しました。

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