「優勝以外は何も残らない」智弁学園・小坂監督の覚悟、甲子園決勝へ
2026年3月31日、智弁学園高校野球部の小坂将商監督が、甲子園大会での優勝を唯一の目標とする覚悟を明らかにした。普段は派手な言動を好まない同監督が、公に目標を口にし始めた背景には、指導者としてのマンネリ化打破と、過去の悔しさからの決意があった。
公言を避けてきた理由とマンネリ化の危機
小坂監督は2006年に母校・智弁学園の監督に就任して以来、甲子園優勝という目標を公言することを避けてきた。その理由は「指導者としてのマンネリ化」への懸念だ。38歳で2016年春の選抜大会を制し、全国屈指の強豪校を率いる一方、岡本和真選手や村上頌樹選手らプロで活躍する教え子を多く輩出している。
しかし、選抜優勝以降、甲子園出場時には常に優勝候補と見なされながらも、勝ちきれない状況が続いた。この状況が小坂監督には「マンネリ」に映り、新たな覚悟を決めるきっかけとなった。
鮮明に残る悔しさと決意の瞬間
今でも鮮明に思い出す試合があるという。2021年夏の甲子園決勝、智弁和歌山との一戦だ。小坂監督はもともと智弁和歌山で野球をやりたかった経緯があり、同校の甲子園戦績は先を行く存在だった。「自分にもプライドがある。絶対に負けたくない」と思いながら臨んだが、結果は完敗。優勝旗を選手に持たせることができなかった悔しさが、今も胸に刻まれている。
転機は一昨年の春に訪れた。実力ある新入生がそろって入部し、「この子たちでダメならそれが自分の引き際だろう」と覚悟を決めた。甲子園で優勝するという目標を明確に掲げ、チームを率いることを決意したのである。
史上最大の逆転勝利と優勝へのラストステップ
今大会では、当時の新入生が主力の3年生として出場。準々決勝の花咲徳栄戦では、序盤に大量得点を許す苦しい展開となったが、大会史上最大となる8点差を逆転し、劇的な勝利を収めた。試合後、小坂監督は「鳥肌が立ちました」と語り、選手たちの成長を実感した。
現在、有言実行まであと1勝のところまで迫っている。小坂監督は「優勝以外は何も残らない。1回戦負けと似たようなもの」と断言し、10年ぶり2度目の優勝を見据える。甲子園の舞台で、指導者としての新たな挑戦が続く。
智弁学園は、強豪校として知られる高校野球の名門で、多くのプロ選手を輩出している。小坂将商監督の下、チームは技術と精神力を磨き、甲子園優勝という頂点を目指して戦いを続けている。



