上場企業の未公表情報を基にインサイダー取引を行ったとして、金融商品取引法違反の罪に問われた会社役員の男(44)の初公判が3日、東京地裁(駒田秀和裁判官)で開かれた。男は罪状認否で「間違いありません」と述べ、起訴事実を全面的に認めた。
事件の概要
起訴状などによると、男は2024年8月、モーター大手のニデックが工作機械大手の牧野フライス製作所に対する株式公開買い付け(TOB)を実施するという未公表情報を、ニデック側でTOB代理人を務めた三田証券の元取締役の男(52)(同法違反で起訴)から入手。同年9月から12月にかけて、牧野フライス株計32万9100株を約23億4980万円で買い付けたとされる。
検察の指摘
検察側は冒頭陳述で、無登録で投資運用業を営んでいた会社役員の男は、2019年ごろから知人を介して知り合った三田証券元取締役から聞いた未公表情報を基に株取引を行い、利益を得ていたと指摘。ニデックのTOB情報に関しては、三田証券元取締役から少なくとも2億円の報酬支払いを求められたと述べた。
巨額の利益と報酬
情報を基に牧野フライス株を買い付けた会社役員の男らは、一連の取引で計10億円超の利益を得た。このうち、約1億5000万円を現金で三田証券元取締役に報酬として支払ったことも明らかになった。検察は、インサイダー取引の悪質性を強調している。
裁判は今後、証拠調べなどを経て審理が進められる見通し。金融市場の公正性が問われる注目の裁判となっている。



