参院憲法審査会は3日、改憲項目の一つである「緊急事態条項」について、今国会で初めて議題とした。衆院では与党が多数を占め、早期の条文案づくりを推進しているが、参院では野党から異論や反対が相次いだ。特に、現行憲法に定められた「参院の緊急集会」をめぐっては、自民党内の衆参で温度差が浮き彫りになる場面も見られた。
緊急事態条項の内容と衆院の動き
緊急事態条項は、大規模災害発生時に衆院議員の任期延長や、内閣が国会の承認を経ずに法律と同等の効力を持つ「緊急政令」を発令できるようにする制度だ。衆院憲法審査会では、事務局が条項の素案を作成し、与党は条文起草委員会の設置を求めている。
参院での与党の主張
この日の参院憲法審では、自民党の古賀友一郎氏が「個別の法律で対応できない場合に備え、『最後のとりで』として緊急政令などの制度を憲法に定めるべきだ」と主張。日本維新の会の柴田巧氏も「参院でも緊急事態条項導入に向けた討議が早期に行われることを強く求める」と訴えた。
野党の反対意見
一方、野党からは懸念や反対意見が相次いだ。立憲民主党の議員は「緊急事態条項は政府の権限を過度に強化し、国民の権利を制限する恐れがある」と指摘。共産党や国民民主党も「現行法で十分対応可能であり、改憲は不要」との立場を示した。
自民党内の温度差
注目されたのは、自民党内の衆参における温度差だ。衆院では与党が条文案づくりを急ぐ一方、参院の自民議員からは「参院の緊急集会制度を活用すれば、緊急事態条項は不要ではないか」との声が上がった。これに対し、古賀氏は「緊急集会は解散後のみ機能するため、平時の災害対応には限界がある」と反論した。
今後の展望
参院憲法審では、今後も緊急事態条項を議題とするかどうかが焦点となる。与党は早期の条文起草を目指すが、野党の反対が強く、議論は難航が予想される。また、自民党内の意見調整も課題だ。



