増田八段、家族の支えで石田六段の得意戦法を破る 竜王戦3組準決勝
増田八段、家族の支えで石田六段の得意戦法を破る

第39期竜王戦3組準決勝が4月24日、東京・将棋会館で行われ、増田康宏八段が石田直裕六段に勝利した。増田は今期、石井健太郎七段、佐々木慎七段を破ってベスト4に進出。一方の石田は前期の挑戦者決定戦進出に続き、今期も阿部健治郎七段、青嶋未来七段を破って勝ち上がってきた。

石田、得意の相掛かりに誘導

振り駒で先手を得た石田は、得意とする相掛かりに誘導。昨年の竜王戦決勝トーナメントでの原動力となった戦法だ。「最近はずっと相掛かりをテーマにしているので、特別な作戦を用意するよりも、この戦法の中で工夫しようと思った」と石田は語る。

しかし、増田は石田の研究を外すタイプと見抜き、△4二玉と上がって対応。石田は▲5八玉の中住まいに構えたが、増田は「▲5八玉は普通の手なので経験がありました」と冷静に受け止めた。

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増田、家族のパワーを注入

増田は3月末まで棋王戦五番勝負で藤井聡太竜王を相手にフルセットの末に惜敗。一時は2勝1敗とリードするなど健闘した。その後の調整について、増田は「生まれた子供を抱っこしながら将棋を考えた。家族からパワーをもらって、集中して臨めた」と明かす。

本局の勝者は決勝進出と2組昇級が決まる重要な一戦。石田が勝てば2期連続ランキング戦昇級により七段に昇段するチャンスだった。「いい経験でしたね。決勝トーナメントは次から次へと対局がついて、準備に集中できていてモチベーションも高かった。ただそのあと成績がボロボロになってしまって、戻すのに苦労しています」と石田は前期の戦いを振り返る。

激しい攻防、増田が勝利

序盤から両者譲らず、飛車先の歩を交換した後、先手の飛車は2五に引いた。本局解説の広瀬章人九段は「先手が何もしないと後手の形が安定して仕掛けが難しくなる」と指摘。石田は右桂を跳ねて攻めの姿勢を見せたが、増田が的確に対応し、終盤までリードを守り切った。

増田は「石田さんの得意戦法を研究して対策を練ってきた。本番では落ち着いて指せた」と振り返る。一方、石田は「自分の将棋はできたが、相手の研究が上回っていた。次に生かしたい」と悔しさをにじませた。

増田は決勝進出を決め、2組昇級も確定。今後の竜王戦でのさらなる活躍が期待される。

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