大阪マラソン2026、多世代の挑戦がなにわ路を彩る
2026年2月22日に号砲が鳴る「大阪マラソン2026」(読売新聞社共催)には、約6万6000人の応募者から選ばれた3万4000人の市民ランナーが出場する見込みです。フルマラソン参加者の年齢層は87歳から18歳までと幅広く、世代を超えた熱戦が期待されています。本記事では、53回目のマラソンに挑む86歳のシニアランナーと、初陣に臨む18歳の大学生に焦点を当て、その意気込みと背景を詳しく探ります。
86歳のランナー、池沢幸頼さんの不屈の精神
最高齢者の1歳年下、86歳の池沢幸頼さん(大阪府貝塚市)は、ランニング歴29年のベテランです。高知県の「高知龍マラソン」など各地の大会で経験を積み、過去に12回出場した大阪マラソンは全て完走しています。健康維持のためにジョギングを始めたのは、自衛隊を定年退職し、関西空港の空港消防隊員に転じていた57歳の頃でした。風を切る感覚が気持ちよく、地元ランニングクラブ「貝塚走ろう会」にも入会。1年後の初マラソンを4時間15分でゴールしたことが自信につながりました。
週3、4日は朝5時に起きて走り、毎週日曜日は走ろう会のメンバーと汗を流す習慣を続けています。スケジュール手帳には「16K(キロ・メートル)」「14K」などと、その日走った距離を記録。この20年の総距離は地球1周分に相当する約4万キロを超えたと語り、その積み重ねが彼の体力の礎となっています。
米寿に近づく年齢まで走り続けていることを、「習慣になっているので、当たり前のことをしているだけ」と謙遜しながらも、「きつい。だからこそ、走り切った感動と達成感をまた味わいたいという気持ちが原動力になっている」と熱く語ります。マラソンの完走者の上位ランキングが年齢別に掲載される雑誌で、自分の名前を確認することも励みになっており、「全国には自分より年上で完走するランナーがいると知ると、まだまだ頑張らなきゃ、と思えてきます」と、向上心を覗かせます。
大阪マラソンは、コロナ禍で一般参加が中止になった大会を除き、第1回から毎回当選してきたという記録を持ち、昨年のタイムは6時間22分。自宅のリビングには12個の完走メダルを飾り、その輝きが彼の努力を物語っています。魅力は、なかなか走るチャンスがない御堂筋などをランナーで独占できること、若者と一緒に走れること。「終盤のきつい時に若い人の走りを見ると、自分もパワーを分けてもらえる」と笑顔で語ります。
走ろう会の練習仲間、山口秀夫さん(71)は「大先輩の池沢さんを見ていると、自分もまだまだ走れると希望をもらえる。今回も力を出し切ってほしい」とエールを送ります。池沢さんは「目指すは完走。自宅に飾るメダルを、もう一つ持ち帰りたい」と、強い意気込みを示しています。
18歳の大学生、高島碧さんの初陣への挑戦
一方、最年少の18歳、大学1年の高島碧さん(大阪府吹田市)が、初めてのフルマラソンに臨みます。出場者の約5割を40~50歳代が占める中、若きランナーの登場が注目を集めています。「レースが始まれば年齢は関係ない。42.195キロを走り切り、何にでも挑戦できるという気持ちを持てれば」と張り切る姿が印象的です。
正月に箱根駅伝をテレビで見るのが家族行事で、市民ランナーで会社員の父、修さん(55)のレースを沿道で応援しているうちに、「自分も走ってみたい」と思うようになりました。出場できる年齢になったらエントリーしようと決めていたという熱意が、今回の挑戦につながりました。
中学まで野球、高校では日本拳法をしてきましたが、本格的に長距離を走ったことはありません。この数か月は万博記念公園の外周をほぼ毎日走って本番に備え、地道な練習を積んできました。当日は、今回は抽選に漏れた修さんが応援する側に回り、沿道に立つ予定です。高島さんは「どれくらいのタイムを出せるか。応援をもらって走るワクワク感。すべてが楽しみ」と、初めてのマラソンへの期待を膨らませています。
多世代が交わる大阪マラソンの魅力
大阪マラソン2026は、86歳の池沢さんと18歳の高島さんという、世代を超えたランナーたちが一堂に会する場となります。地球一周分の走歴を持つシニアの経験と、初陣に臨む若者の新鮮なエネルギーが、なにわ路を彩ることでしょう。このイベントは、スポーツを通じた健康促進や地域コミュニティの活性化を象徴しており、関西発のスポーツ文化を世界に発信する機会ともなっています。
両者の挑戦は、年齢を問わず挑戦し続けることの大切さを教えてくれます。読者の皆さんも、この感動的な物語に触れ、自身の目標に向かって一歩を踏み出すきっかけにしていただければ幸いです。



