棋聖戦第5局、芝野虎丸十段が中押し勝ちで初棋聖に王手 河野九段が熱戦を総括
棋聖戦第5局、芝野虎丸十段が中押し勝ちで初棋聖に王手

第50期棋聖戦七番勝負第5局、芝野虎丸十段が中押し勝ちで初棋聖に王手

宮城県仙台市の青葉山公園仙臺緑彩館で行われていた第50期棋聖戦七番勝負第5局は、挑戦者の芝野虎丸十段が249手までで黒番中押し勝ちを収め、初の棋聖位奪取にあと1勝と迫りました。新聞解説の河野臨九段がこの大熱戦の詳細な対局総括を語り、終盤まで続いたドラマチックな展開を解説しました。

序盤から個性が光る戦い

河野九段は序盤戦について、「一力さんは実利を稼ぎ、芝野十段は外回りという、お互いの個性が出た序盤戦だったと思います」と分析。一力遼棋聖の白66など厳しい打ち回しがあったものの、芝野十段の黒73、75と白を割いていく展開で流れが黒に傾いたと指摘しました。

「芝野さんの73、75、79などは、何気ないようですが、なかなか打てないと思います」と河野九段は評価。一力棋聖は黒87に受けているようではつらいと判断し、シノギ勝負にかけたと解説しました。

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2日目は生死をかけた攻防

2日目は白の生死を巡る激しい攻防に。河野九段は黒113を「読みの入った手」と評し、中央の白を取るチャンスがあったものの、白が右上の5子を捨てて中央を生きる選択をしたことで「延長戦になった」と述べました。

ヨセ勝負の中で、左上での黒の仕掛けが成功し、白4子を取る手が残ったことで黒が地合いでリード。しかし差はわずかで、一力棋聖が下辺で味の悪いところを頑張ったことで形勢は肉薄したと説明しました。

終盤のコウ争いが決め手に

決定的な瞬間は白204に対する黒205からのコウ仕掛けでした。河野九段は「白204では手堅く打っていれば細かい勝負だったのですが、一力さんはわずかに及ばないとみたようです」と分析。

この後、黒白ともにコウを解消するチャンスがあり、そこにもドラマがありました。白218でコウを解消していれば半目勝負だったものの、芝野十段は黒221でこのコウを解消し、勝ちに近づいたと解説しました。

粘り強い戦いと確かな勝ちきり

一力棋聖はさすがの粘りで何度も差を詰めましたが、芝野十段もそれをしっかり勝ちきったことは「見事だった」と河野九段は評価。「この二人の碁はどうやっても熱戦になりますね……」と締めくくり、両者の高い棋力と熱い対局姿勢を称えました。

第5局の勝利により、芝野虎丸十段は初の棋聖位獲得にあと1勝と迫り、七番勝負はさらに緊迫した展開が予想されます。仙台で行われたこの一戦は、序盤から終盤まで目が離せない大熱戦となり、囲碁ファンに深い感動を与えました。

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