藤井聡太名人、ジャケット脱ぎ鋭い表情で佐藤天彦九段を破り朝日杯決勝へ
藤井聡太名人、佐藤天彦九段を破り朝日杯決勝進出

藤井聡太名人、佐藤天彦九段を96手で下し朝日杯決勝へ

第19回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦準決勝が2026年2月11日、大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場で行われた。午前中に開始された一戦で、藤井聡太名人・竜王(23)=王位・棋聖・棋王・王将を合わせ六冠=が佐藤天彦九段(38)を96手で破り、決勝戦への進出を決めた。

午後の決勝戦では、阿部健治郎七段(36)を下した伊藤匠二冠(23)=叡王・王座=との対戦が予定されている。若きトップ棋士同士の激突が注目を集める。

ひんやりとした対局室でジャケットを脱ぎ鋭い表情

準決勝の対局室はひんやりとした空気が流れていたが、藤井名人は開始直後からおもむろにジャケットを脱ぎ捨てた。鋭い表情で盤上を凝視するその姿には、いつも以上に熱い闘志がたぎっていた。普段は冷静沈着なイメージが強い藤井名人だが、この日は特に攻撃的な姿勢を前面に押し出した。

振り駒の結果、後手となった藤井名人に対し、先手の佐藤九段は歩越しの飛車を左辺へ転回する「ひねり飛車」模様の構えを見せた。この局面は藤井名人にとって経験値が多くないはずの展開だったが、彼はまったく動じることなく対応した。

飛車と角を封じる歩の一手で主導権を握る

序盤から中盤にかけて、佐藤九段は2筋からの猛攻を仕掛けてきた。しかし藤井名人は巧みな受けでこれをしのぎ、逆に飛車と角の動きを封じる歩の一手を放った。この一手が局面の主導権を握る決め手となり、後半は藤井名人のペースで進展していった。

終盤戦では、藤井名人の正確な読みと緻密な手順が光り、佐藤九段の反撃の機会を許さなかった。96手目に佐藤九段が投了し、藤井名人の決勝進出が決定した。対局後、藤井名人は「難しい将棋でしたが、最後まで集中して指せました」とコメントした。

若き二冠との決勝戦に期待

午後の決勝戦では、伊藤匠二冠との対戦が待ち受ける。伊藤二冠は準決勝で阿部健治郎七段を破り、初の朝日杯決勝進出を果たした。若手のホープとして急速に頭角を現している伊藤二冠と、すでに将棋界の頂点に立つ藤井名人の対決は、ファンの間で大きな話題を呼んでいる。

両者とも23歳と同い年であり、今後の将棋界を担うライバル関係としても注目される。過去の対戦成績では藤井名人が優勢だが、トーナメント戦の決勝という舞台ではどのような将棋が展開されるか予測が難しい。

朝日杯将棋オープン戦は、プロ棋士によるオープン戦として高い人気を誇る大会である。今回の決勝戦は、若き天才たちの真剣勝負として、将棋ファンだけでなく幅広い層から関心を集めそうだ。