連載「角界余話」の第3回。今回は相撲茶屋の誕生話に入る前に、江戸時代の大相撲興行の背景を少しだけ掘り下げてみたい。
勧進相撲の起源と変遷
江戸の大相撲は、1684年(貞享元年)に富岡八幡宮(東京都江東区)で許可された「勧進相撲」を起源とする。勧進相撲は寺社の維持管理費をまかなうために催され、その後、両国の回向院に場所を移した。
野天での興行風景
当時は境内に仮設の桟敷席を設け、野天で興行が行われていた。相撲は「晴天十日間興行」という形で、雨天の場合は順延となった。興行は年2場所で、力士は10日間を2場所務めることで生計を立てていた。その暮らしぶりを表す川柳が残っている。
「一年を二十日で暮らすよい男」
雨なら順延という江戸時代の相撲興行は、天候に左右される不安定なものだった。しかし、力士たちはこの20日間の興行で一年を暮らすというたくましい生活を送っていたのである。
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