森岡隆三が明かすトルシエ監督の素顔と日韓W杯の思い出
2002年のワールドカップ日韓大会にキャプテンとして出場した森岡隆三氏が、読売新聞ポッドキャスト「ピッチサイド 日本サッカーここだけの話」に出演し、当時のフィリップ・トルシエ監督との関係や大会への想いを語りました。現在は東京・新宿をホームタウンとする日本フットボールリーグ(JFL)「クリアソン新宿」のアカデミーヘッドオブコーチングを務める森岡氏は、トルシエ氏を親しみを込めて「トルさん」と呼び、その人間味あふれる素顔を明かしました。
エキセントリックだが情熱的なトルシエ監督
森岡氏は、トルシエ監督について「エキセントリックな言動は確かにあったが、根底にはサッカーが本当に好きなんだなということが分かる」と評価。監督との関係を「よくけんかもしましたけど、仲も深まった」と振り返り、激しいぶつかり合いがあったものの、それが互いの理解を深める契機となったと説明しました。
トルシエ監督は世間的には「いきなりどなり、まくし立てる」という印象が強いですが、森岡氏は「みんな大人だから、『また始まったよ』みたいな感じで受け流していました」と当時の様子を語りました。特に印象的だったのは、1999年の南米選手権(コパ・アメリカ)を控えた合宿でのエピソードです。監督がグラウンドのハーフラインを境に「本気で勝ちたいと思っているやつだけ、こっちに来い!」と叫び、選手たちがゾロゾロとついていったというエピソードを紹介しました。
森岡氏は「烈火のごとく怒っていたと思ったら、次の日には何事もなかったように接してきた」と述べ、トルシエ監督の「喜怒哀楽があって、意見はバシッと言う。けんかしても、次の日には普通に会話している。引きずらない」という性格を強調しました。現在でも連絡を取り合い、フランスを訪れた際にはトルシエ氏のワイナリーを訪問するなど、交流が続いていると明かしました。
けがのトラウマと日本サッカーへの誇り
日韓ワールドカップでは、森岡氏はけがを抱えながら出場しましたが、初戦のベルギー戦で負傷交代を余儀なくされ、大会での出場はその1試合にとどまりました。森岡氏は「トラウマになっちゃってるから、けがが」と語り、長らくベルギー戦の録画を見返すことはなかったと告白しました。
しかし、昨年、当時のベルギー戦を見ながら解説するテレビの仕事があり、初めて客観的に試合を見た際に、新たな気付きを得ました。「自分だけじゃなく、日本選手はめっちゃファイトしてた。転んでもすぐ立ち上がるとか、ずっと一生懸命だった。あれは良かったな」と振り返り、チーム全体の奮闘を評価しました。
森岡氏は後半途中で交代し、その直後に同点に追いつかれたものの、日本が初めてワールドカップで「勝ち点」を手にした試合となったことを指摘。「僕にとってはけががあって、自分の思い描いていたワールドカップではなくなっちゃいました」と個人的な悔しさを吐露しつつも、「日本サッカー界にとってはとんでもなく大きな飛躍だと思っていて、見てる人たちにとっては大きな夢になったと思う」と強調しました。
さらに、「グループステージを突破する・しないで、日本サッカー界の未来が全然変わったと思います。そこにちょっとでも携われたのは本当に誇りですよね」と語り、自身の貢献に誇りを持っていることを明らかにしました。このインタビューは、YouTube、Spotify、Apple Podcastでも配信されており、日本サッカーの歴史を振り返る貴重な証言として注目されています。



