アビスパ福岡GK小畑裕馬、震災から15年で語る衝撃的な記憶
東日本大震災から15年を迎えた11日、宮城県仙台市出身でJ1アビスパ福岡に所属するゴールキーパーの小畑裕馬選手(24)が、小学生時代に経験した地震の詳細な記憶を初めて明らかにした。この日、福岡市で行われたトレーニング後、小畑選手は記者団の前で当時の生々しい体験を語り、被災地への思いを改めて口にした。
小学3年生の日に襲った巨大地震
震災当時、小畑選手は仙台市内の小学校に通う3年生だった。下校前の午後、突然大きな揺れが襲い、校庭に避難したという。校舎内では天井が崩れ落ち、地面には無数の亀裂が走っていた。家族は無事だったものの、電気や水道、ガスなどのライフラインが完全に停止し、約1週間は車中で過ごさざるを得なかったと振り返る。
数週間後、小畑選手は沿岸部の避難所で炊き出しの手伝いをした。その際、津波で流された車が家屋に衝突し、船が道路に打ち上げられている光景を目の当たりにした。自衛隊による行方不明者の捜索活動が続く中、毛布で覆われた遺体も目撃したという。特に印象に残っているのは、海水をかぶった街から漂う独特な臭いで、「普段見たことのない景色だった」と当時の衝撃を語った。
サッカーを通じた復興と現在の活躍
震災後、小畑選手が加入していた地元のサッカーチームは約1か月で練習を再開。その後も競技を続け、ベガルタ仙台ユースを経て2020年にトップチームに昇格し、J1リーグでデビューを果たした。昨シーズンには福岡へ移籍し、自身最多となる20試合に出場。正確なキックを武器にチームの守護神として活躍している。
現在、4連敗中のアビスパ福岡は15日にV・ファーレン長崎と対戦する予定だ。小畑選手は11日のトレーニング後、居残りで何度もシュートを止める練習に励んでいた。「サッカーでみんなに笑顔を届けたい」と語り、プロとして常に最高のパフォーマンスを追求する姿勢を示した。
忘れられない記憶と伝える使命
地元を離れた今でも、小畑選手は震災の記憶を大切にしている。「(震災は)忘れてはいけないこと。振り返り、伝えていかないといけない」と強調し、節目の日に改めて被災地への思いを口にした。彼の言葉は、震災の教訓を次世代に継承する重要性を浮き彫りにしている。
このインタビューを通じ、小畑選手は単なるアスリートとしてだけでなく、被災体験を共有する語り部としての役割も果たしている。サッカー界における彼の活躍と、震災からの復興を支えるメッセージは、多くのファンに勇気を与えている。



