森岡隆三が語るアカデミーヘッドオブコーチングの役割と日本サッカーの未来
元サッカー日本代表で、現在は日本フットボールリーグ(JFL)のクリアソン新宿でアカデミーヘッドオブコーチングを務める森岡隆三氏が、読売新聞ポッドキャスト「ピッチサイド 日本サッカーここだけの話」に出演しました。森岡氏は、アカデミーでの選手育成がクラブ経営においても重視される時代が近づいていると語り、その真意を明らかにしました。
クリアソン新宿の歩みとアカデミーの重要性
クリアソン新宿は、2005年にサッカーコミュニティーとして誕生し、2009年に東京都社会人リーグ4部に加盟しました。その後、関東社会人リーグを経て、2022年にJFLに昇格を果たしています。東京23区に本拠地を置くクラブとして初めて、J3昇格に必要なライセンスを取得しており、秋春制への移行期間を経た2026-27シーズンの結果次第では、J3への昇格も可能な状況です。
森岡氏は2018年にクリアソンのアドバイザーに就任し、現在はアカデミーヘッドオブコーチング兼クラブリレーションズオフィサーを務めています。森岡氏はこの役職について、「トップチームでいう『強化部長』にあたるような役割で、アカデミー事業の収益化も考える統括者みたいな役職です」と説明しました。さらに、「選手を育ててトップチームに上げるのはもちろん、例えば海外の中堅クラブには選手の移籍で利益を得るという考えもあります」と付け加え、アカデミー育成がクラブの財務面でも重要であることを強調しました。
選手移籍の高額化と育成の楽しみ
近年、日本サッカー界では選手の海外移籍が活発化しています。例えば、日本代表歴もある高井幸大選手は、20歳の若さで川崎フロンターレからイングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーに移籍し、現在はドイツ・ボルシアMGにレンタル移籍でプレーしています。欧州リーグを中心に選手の移籍は頻繁に行われており、円安の影響もあって移籍金は高額化する傾向にあります。
森岡氏はこの状況について、「どんどんそうなってくると思う。ヘッドオブコーチングという役職の注目度も上がってくるかもしれないですね」と指摘し、クラブ経営を俯瞰した視点から分析しました。また、選手育成に関しては、「個人的に向いてるというか、なじんでいる感じがします」と語り、育成プロセスを楽しんでいることを明かしました。さらに、「選手の育成プロセスを見ていくのは楽しいし、そういう選手たちがJリーグに出る、日の丸を背負ってオリンピックに出るとか。自分が関わった選手が出てくればうれしいし、とても多くの人が同じように思っている。育成の世界観でいると、選手が『推し』だらけになる」と述べ、収録に特別MCとして参加した元日本代表の柿谷曜一朗氏も強く同意していました。
秋春制移行によるビジネスチャンス
今年のJリーグでは、リーグ戦の開幕を8月に変更する「秋春制」への移行のため、昇降格のない特別大会「百年構想リーグ」を開催しています。同様に、JFLでも特別大会「2026 JFL CUP」が行われています。森岡氏はこの秋春制移行について、「欧州リーグに合わせたスケジュールになるのはうれしい。多くの人がご尽力されたことに、本当に頭が下がる思い」と評価しました。
さらに、「選手の移籍も計画的にやれるし、戦略的なチーム編成もできるようになる。(秋春制導入を)ビジネスチャンスと考えているクラブは多いと思う」と述べ、秋春制が日本サッカー界に新たな機会をもたらすと見据えています。例えば、RB大宮アルディージャを代表に、海外クラブと提携しているJクラブも増えており、国際的な連携が進んでいます。
森岡氏は最後に、「選手の育成も含め、色々な意味で日本サッカー界の転換点になる感じはする」と語り、秋春制移行が日本サッカーの未来を大きく変える可能性を示唆しました。
森岡隆三のプロフィール
- クリアソン新宿・アカデミーヘッドオブコーチング兼クラブリレーションズオフィサー
- 日韓ワールドカップ日本代表主将
- 清水エスパルス、京都サンガでプレー
- ポジションはDF
- 1975年生まれ、神奈川県横浜市出身



