挑み続けるキング・カズ、58歳でJ公式戦最年長出場を更新
サッカーJリーグの特別大会「百年構想リーグ」が開幕し、三浦知良選手が5年ぶりにJ公式戦に出場。58歳11カ月12日という年齢で、J公式戦における最年長出場記録を更新した。現役最年長としてピッチに立つ意義や、年々難しくなる体との向き合い方について、千葉県成田市で行われたキャンプで「キング・カズ」の現在地に迫った。
成田キャンプで汗を流し、開幕戦の思いを語る
今季から所属するJ3・福島ユナイテッドFCは、練習拠点が降雪で使用できないため、2月上旬から千葉県成田市でキャンプを実施。公開日の12日、三浦選手は紅白戦などで汗を流した後、取材に応じた。開幕戦について、「特別な雰囲気も、みんなの注目もある。『勢い』をつけたいという意味での起用だった。楽しんでできた」と表情に充実感を漂わせた。
7日に行われたヴァンフォーレ甲府との開幕戦では先発出場。右足でボールをまたぐ「シザース」や、味方との連携で年齢を感じさせない軽快なプレーを見せた。しかし、20分で交代し、限られた交代回数を消費した点は賛否両論を含めて話題となった。
異例の20分交代、常識を変える可能性に言及
三浦選手が「開幕スタメン」を打診されたのは、試合の2日前だった。以前から寺田周平監督に「交代枠で迷惑をかけるのは嫌だ」と伝えていたため、驚きもあったという。しかし、自身の役割を自覚しており、攻撃の起点となるだけでなく、若手中心の仲間たちへ声をかけ、先頭に立って果敢に攻める姿勢を示すことを重視した。
「世界的にもなかったこと、頭の20分で交代というのは。批判もあるかもしれない。でもやっていくうちに常識に変わる場合もある」と語り、数々の「日本人初」を成し遂げたレジェンドならではの見解を示した。「ベテランの使い方としてスタンダードになる可能性もある」と、新たな戦術の可能性にうなずいた。
寺田監督も「カズさんは世界中どこを探してもいない存在。開幕の20分を使うのがプラスになると、迷いなく自信を持って起用した」とコメントし、三浦選手の存在価値を強調した。
体との対話と尽きない向上心
日々、トレーナーと一緒に体と対話する三浦選手は、「常にチェック、チェックですね」と語る。「きつい」「重い」と思う日もあるが、休んでいるときより練習の方が楽に感じる日もあるという。コンディションの波を繊細に感じ取りつつ、「神経質になりすぎるとマイナスになる。鈍感でいい部分も。『病は気から』ってあると思う。痛いかなって思うと痛くなってきたりね」と、メンタル面の重要性にも言及した。
サッカーを続ける理由はシンプルだ。「自分の息子より若い選手もいる中、毎日全力を出したい。いいプレーがしたいだけ」と語り、尽きない向上心で挑み続ける姿勢を明かした。58歳を超えてもなお、現役としての情熱と挑戦を続けるキング・カズの姿が、多くのファンに感動を与えている。



