3歳馬の頂点を争う第93回日本ダービー(東京優駿、GI)が31日、東京競馬場の芝2400メートルで行われる。競馬関係者憧れの夢舞台に立てるのはわずか18頭。皐月賞(GI)上位組に加え、前哨戦を制した新興勢力も台頭し、混戦に拍車がかかっている。世代最強の座をかけた競馬の祭典から目が離せない。
ロブチェン、2冠獲得に挑む
ロブチェンは2020年のコントレイル以来となる2冠獲得を目指す。皐月賞では先手を奪って押し切り、中山芝2000メートルのコースレコードを更新。昨年末のホープフルS(GI)でも鋭い決め手を発揮して優勝しており、自在な戦法で勝利を重ねてきた。騎乗する松山弘平騎手は11度目の挑戦で悲願のダービー制覇を狙う。
リアライズシリウス、逆転を狙う
リアライズシリウスは皐月賞でロブチェンと激しく競り合い、3/4馬身差の2着に敗れた。しかし、共同通信杯(G3)を含め、今回と同じ左回りでは3戦3勝。新馬戦から手綱を取る津村明秀騎手とのコンビで逆転を狙う。管理する手塚貴久調教師(61、美浦)は23年と25年のダービーでともに2着。今回はスプリングS(G2)の勝ち馬アウダーシア(ダミアン・レーン騎乗)との2頭出しで臨み、勝てば5人目のクラシック完全制覇となる。
皐月賞組の巻き返し
皐月賞3着のライヒスアドラーと4着のアスクエジンバラは、ロブチェンから0秒3差と大きく離されておらず、巻き返しに闘志を燃やす。フォルテアンジェロは皐月賞で出遅れたものの5着まで追い上げており、スムーズなレースができれば浮上する余地がある。
皐月賞未出走組も上位狙う
皐月賞未出走組も上位を狙う。ゴーイントゥスカイは今回と同じ舞台で行われた青葉賞(G2)で鋭い末脚を駆使して勝利。この競走の1着馬が本番を制した例はないが、武豊騎手(ダービー36回騎乗で6勝、騎乗数・勝利数ともにトップ)がジンクスを打ち破るか注目だ。京都新聞杯(G2)を勝って3戦3勝で臨むコンジェスタスは唯一の無敗馬。共同通信杯2着馬を差し切っており、実力と勢いを兼ね備える。さらに、報知杯弥生賞ディープインパクト記念(G2)1着のバステールなど、重賞勝ち馬も控えている。
親子3代制覇なるか
キズナ産駒のアウダーシアとパントルナイーフ、ロジャーバローズの子メイショウハチコウ、コントレイルを父に持つゴーイントゥスカイとコンジェスタスが勝てば、祖父ディープインパクトと父に続く初の親子3代制覇の偉業となる。
新種牡馬の産駒4頭出走
今年は皐月賞の1、2着馬をはじめ、新種牡馬の産駒が4頭出走する。将来の日本競馬界を担う若手調教師も初めて管理馬を送り込むなど、例年以上に新鮮味のあるダービーとなった。
コントレイル産駒に勢い
ロブチェンの父ワールドプレミアは菊花賞、天皇賞(春)と長距離GIを勝ったが、皐月賞とダービーは未出走。同馬が暮らす牧場「優駿スタリオンステーション」(北海道新冠町)を運営する株式会社優駿の藤本一真さんは「父に似て末脚が鋭い産駒が多い」と分析する。
リアライズシリウスを送り出したポエティックフレアはアイルランド調教馬で、英2000ギニーなどGIを2勝。受胎率が低かったが、少ない初年度産駒から活躍馬が出た。繁養先の社台スタリオンステーション(北海道安平町)の徳武英介場長は「仕上がり早で完成度が高く、一瞬の爆発力がある」と評価する。
2020年に無敗で三冠馬に輝いたコントレイルの産駒は、ゴーイントゥスカイとコンジェスタスの2頭が前哨戦のG2を制して本番に駒を進めた。徳武場長は「長めの距離で長く良い脚を使うタイプが多い」と好走を期待する。
若手調教師の挑戦
ダービー初挑戦となる開業4年目の上原佑紀調教師(36、美浦)はライヒスアドラー、ゴーイントゥスカイ、フォルテアンジェロ、グリーンエナジーの4頭を出走させる。管理馬4頭出しはフルゲート18頭となった1992年以降、中央で歴代2位の1570勝を誇る藤沢和雄氏が2002年に達成して以来2人目。「日々積み重ねていることが結果として表れてうれしい」と実感を込める。
騎手としてダービー3勝の福永祐一調教師(49、栗東)がアスクエジンバラで初参戦。ジョッキー時代のライバル岩田康誠騎手を配し、「そういうレベルの馬を預託していただいている。幸運なこと」と開業3年目で挑む大一番への心境を語った。



