熊本ヴォルターズに地震経験の元選手がアシスタントコーチとして復帰、チームの躍進に恩返しを誓う
プロバスケットボール・熊本ヴォルターズに今シーズン、2016年の熊本地震を経験した元選手がアシスタントコーチとして復帰した。地震では熊本県益城町にあったホームアリーナが被災し、チームは存続の危機に直面した。しかし、その再興は地域の復旧・復興と重なり、多くのファンに勇気を与えてきた。今回の復帰は、チームへの深い思い入れと「恩返し」の意思を示すものだ。
遥天翼さん、チームに厚い信頼を得て指導に尽力
8日、熊本市中央区の体育館では、実戦形式の練習が行われていた。その中で、遥天翼さん(37歳)が選手たちに声をかけ、アドバイスを送っていた。3点シュートを狙う選手には位置取りや守備のかわし方を助言し、戦術の理解を深めようとしている。チーム指導陣からは「親身になって対応してくれる」と厚い信頼を得ており、全体のレベルアップに貢献している。
遥さんは中国生まれで、4歳の時に家族と福岡県に移住。バスケットボール選手だった父の影響を受け、小学4年生から競技を始めた。現役時代は身長194センチを生かし、ゴール下でのパス受けやドリブルでの切り込みなど、多彩な攻撃が持ち味だった。福岡第一高校、東海大学を経て、名古屋市を拠点とするチームに加入した。
プロ環境への移行と地震による試練
当初は午前は会社員、午後は選手という生活を送っていたが、バスケットボールに集中したいという思いから、当時誕生間もなかった熊本ヴォルターズに直談判し、2014年に加入。プロ一本で集中できる環境を得ると、リーグのオールスターに選出されるなど主力として活躍した。
しかし、チーム戦績が振るわない中、2016年に未曽有の熊本地震が発生。ホームアリーナでは天井や照明が落下するなど甚大な被害を受け、チームは存続の危機にひんした。この経験から、遥さんは「バスケができるのは当たり前じゃないということをかみしめ、恩返しをしたい」と強く感じるようになった。
復興と共に歩むチームの未来へ
現在、アシスタントコーチとして復帰した遥さんは、チームの躍進に活力をもたらしている。地震からの復旧・復興とチームの再興が重なる中、ファンや地域社会への感謝を胸に、指導に全力を注いでいる。「熊本への恩返しになるなら全てをかけたい」という言葉は、個人のキャリアを超えた深い使命感を反映している。
熊本ヴォルターズは、困難を乗り越えながら成長を続けており、遥さんの復帰が新たな一歩となることが期待される。この動きは、スポーツを通じた地域貢献の重要性を改めて浮き彫りにしている。



