愛媛県の出生数が過去最低の6800人に、若年層流出で人口減少が加速
愛媛県出生数過去最低6800人、若者流出で人口減加速 (22.03.2026)

愛媛県の出生数が過去最低水準に、人口減少が深刻化

2025年の愛媛県内における出生数は6800人となり、前年と比較して205人減少しました。この数字は2010年以降で過去最低を記録しており、同県の人口減少が急速に進んでいる現状を改めて浮き彫りにしています。厚生労働省が2月に発表した人口動態統計の速報値によって明らかになったこのデータは、地方における少子化の深刻さを示す指標となっています。

若年層の流出が出生数減少の主要因に

出生数が継続的に減少している背景には、若年層の県外流出が大きく影響しています。進学や就職を機会に都市圏へ転出する若者が後を絶たず、その結果として婚姻数そのものが減少傾向にあります。2025年の県内婚姻数は4214件でしたが、2022年の4550件と比較すると300件以上も減少しており、この傾向が少子化に直接つながっている状況です。

愛媛県はこうした状況を重く受け止め、「人口減少対策推進本部会議」を設置して対策に乗り出しています。今年1月には、現在約125万人の人口が、現在の転出超過傾向が継続した場合、2060年には65万5850人まで減少するとの推計を公表しました。2022年時点の推計では78万3547人とされていましたが、コロナ禍後に東京一極集中の流れが再び加速したことで、約13万人も下方修正される結果となりました。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

生産年齢人口の維持を目標に掲げる

県は新たな目標として、15歳から64歳までの「生産年齢人口」が65歳以上の高齢者人口を上回る状態を維持することを掲げています。このバランスが逆転すると、働き手の減少を招き、県内経済や地域の活力低下につながる懸念があるためです。

ただし、この目標を達成するためには、2024年に4444人だった転出超過を段階的に半減させるとともに、合計特殊出生率を可能な限り希望出生率(1.50)に近づけることが条件となります。県の試算によれば、2050年時点で両方の条件が達成できた場合、2060年の人口は71万4141人になると推定されています。

52億円を投じた総合的な対策を実施

2026年度の県予算では、人口減少対策として約52億円が計上されています。具体的な施策としては以下のような取り組みが進められています。

  • 学生のUターン就職を支援するプログラムの拡充
  • 不妊治療費に対する補助制度の強化
  • 産婦人科や分娩施設が不足している地域への助産師派遣事業の推進
  • 都市部と比較して女性に偏りがちな家事・育児分担の見直し促進
  • 性別に基づく無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)解消への取り組み

県の担当者は「結婚から子育てまでの切れ目ない支援だけでなく、男性が育児休暇を取得しやすい環境整備など、柔軟な働き方の実現も重要になってきています。若者の視点に立った対策に力を入れていきたい」と述べています。

愛媛県が直面する人口減少問題は、単なる数字上の課題ではなく、地域経済の持続可能性やコミュニティの存続に関わる深刻な問題です。若年層の流出に歯止めをかけ、出生率の向上を図るための多角的なアプローチが、今後ますます重要になっていくでしょう。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ