「同氏婚」で改姓不要? 同じ名字限定の婚活パーティーに密着
「同氏婚」で改姓不要? 同じ名字限定の婚活パーティー

同じ名字の人と結婚すれば、改姓に悩まなくて済むのではないか――。選択的夫婦別姓の議論が進まない中、同じ姓を持つ人同士の結婚をテーマにした婚活パーティーが開かれた。その名も「同氏婚のススメ」。同じ名字の参加者が集まった会場の様子を取材した。

同じ名字が集まる会場

3月末の土曜夜、東京都新宿区のラウンジに男女9人が集まった。「佐藤です。初めまして」「私も佐藤です」。ソファ席に1組ずつ分かれて座り、互いに自己紹介をすると、緊張感が和らいだ。仕事や趣味、婚活の話で盛り上がり、「学生時代、クラスに何人か佐藤がいましたよね」という「あるある」ネタに話題が移ることも。15分後に相手を替えると、再び同じようなあいさつが交わされた。

この日は「佐藤」と「伊藤」の名字の人だけが参加。女性の佐藤さん(32)=東京都=は「全く知らない人と話すので、名字が同じという共通点が一つでもあるのはいいなと思う」と利点を挙げる。

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改姓の悩みから解放

男性の佐藤さん(32)=埼玉県=の実家は16代続く農家。名字を守りたい思いがあり「相手の女性が珍しい名字だったら、よくある佐藤に変えてもらうのは申し訳ない。互いに佐藤なら改姓のことを気にしなくてもいい」と語る。

法律婚をする際、現状では夫か妻の姓を選ぶ必要がある。内閣府の調査によると、2024年に婚姻届を提出した夫婦のうち94%は女性が改姓した。パーティーに参加した女性の伊藤さん(37)=埼玉県=は「結婚したら、結局女性が姓を変えるんでしょと思われていることは不平等に感じる」と話す。「改姓後に離婚しないとも限らない。名字にこだわりはないが、変えることのリスクは考えてしまう」と明かす。

皮肉と逆転の発想

婚活パーティーは、選択的夫婦別姓の実現を目指す一般社団法人「あすには」と婚活サービス大手の「IBJ」(いずれも東京)が開いた。3~4月には鈴木さん、田中さんを集めたパーティーもあった。あすには代表理事の井田奈穂さんは、今回の企画の意図を「同じ名字の人との出会いがあれば、互いに改姓しなくて良いという逆転の発想と、姓を選べない理不尽さへの皮肉を込めた」と説明する。「本質的な解決策ではないが、明るくポジティブな取り組みとして、現状の問題を知ってもらいたい」と話す。

引き続き、5月には第2弾として、名字の漢字表記は指定せず「さいとう」「わたなべ」「たかはし」「なかむら」の人に限った婚活パーティーを開く予定だ。

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