スリーマイル原発事故と福島原発事故の比較
1979年に米国ペンシルベニア州のスリーマイルアイランド(TMI)原発2号機で発生したメルトダウン(炉心溶融)事故は、原子力発電推進の流れに大きな影を落としてきました。事故から47年が経過した現在も、約1トンの溶融核燃料(デブリ)が2号機の構内に残存しています。共同通信の記者が現地に立ち入り、その状況を詳しく取材しました。遠隔操作によるデブリ除去作業が進められており、この取り組みは東京電力福島第一原発の廃炉作業の「手本」として位置づけられています。
現地の放射線量と作業の厳しさ
2026年4月、二重のゲートを通過し、2号機の原子炉建屋近くの敷地に徒歩で入ると、複数の仮設事務所が建てられていました。デブリが残る原子炉建屋内の放射線量は、一部で毎時数十ミリシーベルトに達しており、防護服を着用していても数時間の滞在で年間被ばく限度を超える危険性があります。このような過酷な環境下で、遠隔操作によるデブリ除去が慎重に進められています。
福島とスリーマイルの違い
福島第一原発の事故では、溶けた核燃料が原子炉圧力容器を貫通する「メルトスルー」が発生し、デブリの総量は推定880トンに上ります。一方、スリーマイル原発では、メルトダウンから比較的早い段階で核燃料の冷却に成功したため、圧力容器の損壊を免れました。冷却と放射線遮断のため圧力容器内に水を張り、上部から掘削機を挿入するなどの方法で、核燃料約130トンのうち、溶けて固まったデブリを含む99%を1990年までに取り出すことに成功しました。残る約1トンのデブリは、現在も除去作業が続けられています。
福島廃炉への応用
スリーマイル原発で培われた遠隔操作技術やデブリ除去のノウハウは、福島第一原発の廃炉作業に応用されています。福島では、より大量のデブリと高線量の環境に対応するため、新たな技術開発が進められていますが、スリーマイルの経験は重要な参考事例となっています。今後も両原発の廃炉作業は長期にわたると見込まれ、国際的な協力が続けられています。



