人口3千を切った山あいの町、高知県大豊町。深い谷には、300を超える橋が架かる。そのうち二つの橋の「診断書」とも言える資料が、有識者会議で配布されたのは昨年11月のことだ。傷み具合や利用状況、その先にどんな施設があるか。評価は8項目にわたる。
一つの橋は、病院へ直結する唯一の道路に架かる。結果は「最重要施設のため、予防保全管理を行う」。もう一つは「隣接する迂回路があり、老朽化が著しい。撤去による影響は極めて小さく終活対象」。明暗は分かれた。
橋の「終活」とは
橋の「終活」とは、いずれは廃止や撤去が必要との判断だが、残された期間は大切に扱っていこう――。そんな考え方だという。町民9人につき橋1本という状況で、橋にも「尊厳ある終わり方」と「優先順位」と「使い切り」が求められている。
「四国の真ん中」の現実
「四国の真ん中」をうたう高知県大豊町。標高200~1400メートルの険しい土地に、吉野川とその支流が縫うように流れる。集落をつなぐ町道橋は310を数える。その大半は、架けられてから50年以上だ。年間予算60億円の町で、2022年度に示された試算がある。310すべての橋の維持・管理には100億円超の費用が見込まれており、現実的な対応が迫られている。
過疎地で始まったこの「終活」は、人口減少時代のインフラ縮小の一例として注目される。今後、他の地域でも同様の取り組みが広がる可能性がある。



