再雇用の賃金大幅減額は「不合理」と判断、名古屋高裁が330万円の支払い命令
定年退職後の再雇用を巡り、同じ仕事なのに基本給が大幅に減額されたことの不当性が争われた訴訟の差し戻し控訴審で、名古屋高裁(片田信宏裁判長)は2026年2月26日、減額は不合理だとする判決を言い渡しました。この判決では、勤務先の名古屋自動車学校(名古屋市)に対し、計約330万円の支払いを命じています。
差し戻し前の判決を踏襲、不合理な格差を認定
差し戻し前の2審では、名古屋高裁が基本給などのうち正社員の60%を下回る部分について「不合理な格差」にあたると認定し、計約625万円の支払いを命じていました。今回の差し戻し控訴審では、同様の理由で不合理な格差を認め、支払い額を約330万円に調整しました。
片田裁判長は判決で、原告の基本給は指導員としての職務に対する職務給という性質が大きいと指摘しました。「正社員の基本給と同質で、額を大きく下げることは不合理だ」と述べ、減額の不当性を強調しました。
原告側は上告の意向を示す
一方で、原告側の弁護士は「算定根拠が明らかでない」として、上告する意向を示しました。この訴訟は、2013年から2014年にかけて定年退職し、嘱託として再雇用された元社員2人が提起したものです。彼らの基本給は正社員時の40%から50%に減額されていました。
最高裁の差し戻し判断を背景に
この訴訟を巡っては、最高裁が2023年の判決で、減額が不合理かどうかは基本給の性質や支給目的を踏まえて検討すべきだとして、審理を差し戻していました。今回の判決は、その指針に沿って再検討された結果です。
再雇用における賃金格差は、高齢化社会が進む日本で重要な労働問題となっています。今回の判決は、職務内容が同じであれば、再雇用後の賃金減額には合理的な理由が必要であることを示唆しており、今後の類似ケースに影響を与える可能性があります。



