三重高校でデータ活用特別授業 食堂混雑分析でDX人材育成
松阪市の三重高校で、企業によるデータ活用の特別授業が実施されました。同校は文部科学省のDXハイスクール指定校として、デジタル人材の育成強化に取り組んでいます。
データ活用の基礎を実践的に学ぶ
授業は、企業のDX支援やソフトウェア開発を行う「サンエル」(松阪市)の上田智広さんが担当しました。上田さんはまず、「データとは『事実の記録』であり、データ活用とは『集めたデータを使って次にどうするか決めること』」と説明しました。
講義では、数字を集める重要性やデータに偏りが出る可能性について指摘しながら、学校の食堂を具体例として取り上げました。生徒たちは、食堂の混雑の原因と緩和策を考える際に、どのようにデータを活用すべきかを学びました。
リアルタイムアンケートで混雑対策を分析
授業では生徒も積極的に参加し、タブレット端末でリアルタイムに集めたアンケートの数字を分析しました。具体的には以下の選択肢を検討しました:
- 生徒1人当たりの滞在時間を短くする
- 学年ごとに食堂に入れる時間を変える
- 座席数を増やす
分析の結果、座席数を増やすよりも滞在時間を短くする方が効果的であることが明らかになりました。このような実践的な分析を通じて、生徒たちはデータに基づく意思決定の重要性を体感しました。
AIを「新しい視点をもらうパートナー」として活用
授業では生成AIの使い方についても詳しく説明されました。上田さんは「AIは答えをもらうのではなく、新しい視点をもらうパートナーと考えてほしい」と強調しました。
さらに、「データをもとに『次に何をするのか』を自分で決める。がむしゃらにではなく、効率よく未来を目指すようになってくれれば」と締めくくり、データ活用の本質的な意義を伝えました。
生徒たちの気づきと感想
授業に参加した女子生徒(16歳)は「数字にすることで様々なことが可視化され、次の行動に生かせると分かった」と語りました。また、男子生徒(16歳)は「普段からAIを使っているが、答えを求めることが多かった。データをもとに、AIには視点を求めることをしていきたい」と感想を述べました。
三重高校では、3年生でAIの活用やデータサイエンスに習熟できるよう、1年生ではこのようなデータ活用の基礎を学ぶカリキュラムを実施しています。今回の特別授業は、デジタル人材育成の一環として、実社会で活躍する企業の専門家から直接学ぶ貴重な機会となりました。