高校の学食、採算合わなくても必要? 教育評論家・尾木直樹氏に聞く
2026年5月18日 13時10分 山中由睦
高校の学食運営から撤退する業者が相次ぎ、学食が減少している。現状をどう見るか、教育評論家で法政大学名誉教授の尾木直樹氏に話を聞いた。
学食の教育的価値
尾木氏は中学・高校で国語教師を務めた経験を持つ。学食について「教室を離れ、異なる学年やクラスの生徒と交流することで人間関係が広がり、成長のきっかけとなる教育的な価値がある場所だ」と語る。また、共働き家庭の増加を背景に「弁当準備の手間が省け、栄養バランスが良く安価な学食は、貧困家庭だけでなく多くの家庭を支援する役割を果たしている」と強調する。
学食を残すべきか
少子化や物価高により、業者の自助努力では限界があるのは事実だ。尾木氏は「食堂を利用する生徒だけが恩恵を受けるという理由で、自治体が補助に消極的な事情も理解できる。しかし、安心して昼食をとれる場は必要だ。金銭的支援が難しくても、他の面でのサポートは可能だろう」と述べる。
具体的な支援策
支援策として、地域住民の学食利用や生徒が育てた野菜の活用、生徒主体のキッチンカー誘致などを挙げる。「採算が合わないと決めつけず、生徒のニーズを聞けば多様なアイデアが出てくるはずだ」と期待を寄せる。
広告収入のリスク
大学や企業のように配膳トレーに広告を載せる方法については、「高校生が直接目にする物に企業広告を載せることは教育上のリスクがある。慎重に対応すべきだ」と警鐘を鳴らす。



