神奈川の市民団体が震災15年で原発事故の記憶継承へ活動強化
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から、2026年3月11日で15年を迎える。この節目を前に、神奈川県内の市民団体が原発事故の記憶を風化させないための様々な行事を計画している。国際的なエネルギー情勢の変化や日本の政策転換を背景に、地域レベルでの継続的な取り組みが展開される。
国際情勢とエネルギー政策の転換が活動の背景に
原発への軍事攻撃は従来、国際法などで禁止されてきたが、ロシアのウクライナ侵攻では原子力発電所も攻撃対象となる例外的事態が発生した。このような国際情勢の変化に加え、日本政府は昨年閣議決定した第7次エネルギー基本計画で原発の最大限活用を明記し、東日本大震災以降の政策を大きく転換させている。
原発を巡る環境が大きく変わる中、市民団体は事故の教訓を後世に伝える活動を今年も継続する。神奈川県内では小田原市、平塚市、秦野市の3地域でそれぞれ異なるアプローチの行事が予定されている。
小田原市では学術的講演と討論会を2日間開催
小田原市の市民団体は、小田原駅東口のおだわら市民交流センターUMECOで「3・11 十五年企画」を実施する。3月7日にはNHK制作のドキュメンタリー「世界の科学者は予見する 核戦争後の地球」を上映し、広島の被爆2世による講演が行われる。
3月8日には、諸富徹・京都大学大学院教授による「再エネ100%社会の処方箋」と題した講演、小山田大和・小田原かなごてファーム代表社員による「食エネ自給のまちづくりと営農型太陽光発電」に関する講演が予定されている。さらに市幹部や原正樹・湘南電力社長らが参加するパネルディスカッションも実施される。
両日とも午後1時30分開始で、予約は不要。参加費は2日間共通券で1000円となっている。問い合わせは大久保徹夫氏(電話090-7209-0100)まで。
平塚市では公園集会とデモ行進で原発反対を訴え
平塚市の「さよなら原発ひらつかアクション」実行委員会は、3月7日午後1時30分から3時30分まで、市内の見附台公園で集会を開催する。参加者が思いを語るリレートークやパントマイムの上演後、自由参加のデモ行進を行い、原発反対の意思を表明する。
政党名の旗の持ち込みは不可だが、自作のプラカードや横断幕は歓迎されている。問い合わせは平野健治氏(電話080-5065-2494)まで。
秦野市では駅前で「脱原発スタンディング」を実施
秦野市の「脱原発グリーンパレードinはだの」を歩く会は、3月11日午後1時30分に秦野駅南口のおおがみ公園に集合し、駅北口に移動して午後2時30分まで「脱原発スタンディング」を行う。思いを込めたプラカードやゼッケンの持参を参加者に呼びかけている。
問い合わせは中村雅彦氏(電話090-6340-5840)まで。これらの活動は、震災と原発事故から15年が経過しても、その記憶と教訓を地域社会で共有し続けるための重要な取り組みとなっている。
神奈川県内の市民団体による継続的な活動は、国家的なエネルギー政策の転換や国際的な安全保障環境の変化の中で、地域レベルでの議論と行動の重要性を改めて示している。原発事故の風化を防ぎ、持続可能なエネルギー社会のあり方を模索する動きは、今後も各地で展開されていく見込みである。
