名古屋鉄道(名鉄)は29日、利用者の減少に伴い赤字が続いている広見線の新可児駅(岐阜県可児市)と御嵩駅(同県御嵩町)を結ぶ区間(7.4キロ)を廃止する方針を明らかにした。具体的な廃止時期については未定としている。
沿線自治体が維持費負担断念
これまで名鉄と路線存続に向けて協議を進めてきた沿線の可児市、御嵩町、八百津町の3市町は同日、維持費の一部を自治体が負担する「みなし上下分離方式」の導入を断念することを発表した。3市町は名鉄に対して、2028年度末まで現在の運行を継続するよう要請する方針であり、並行してバスなどの代替交通手段の準備を進めるとしている。
名鉄「自助努力だけでは困難」
名鉄の広報担当者は、少子高齢化の進展など鉄道事業を取り巻く環境が厳しさを増していることを挙げ、「民間事業者としての自助努力だけでは路線の維持は難しい」と説明した。同区間は長年にわたり利用者数が減少傾向にあり、収支改善の見通しが立たない状況が続いていた。
自治体負担は年約3億4000万円
3市町によると、みなし上下分離方式を導入した場合、自治体側の年間負担額は約3億4000万円に上る見込みで、鉄道以外の住民サービスに影響を及ぼすことが避けられないと判断したという。今後は地域の公共交通の在り方を再検討し、住民の移動手段確保に向けた代替案を具体化する方針である。



