名古屋鉄道広見線の新可児駅と御嵩駅を結ぶ区間の存廃問題で、沿線の可児市、御嵩町、八百津町の3市町は29日、いわゆる「みなし上下分離方式」による運行継続の協議を終了したと発表しました。物価上昇に伴う財政負担の増加が見込まれ、「住民サービスへの影響が避けられない」ことが主な理由です。名古屋鉄道(名鉄)も廃止の方向で進めることを明らかにしており、3市町は今後、バス路線などへの転換準備を始めます。
沿線住民に衝撃と不安
「えっ。マジすか」。県立東濃高校(御嵩町)1年生の松本リアンさん(15歳)は午後4時ごろ、御嵩駅で広見線の同区間の廃線方針が固まったことを知り、言葉を失いました。
美濃加茂市に住む松本さんは、広見線を利用して約1時間かけて通学しています。「新可児で足止めされると、学校までは自転車かバスになる。時間がかかるから、メチャクチャ困る」と不安をのぞかせました。
存続を求める署名活動に参加したという50歳代のアルバイト女性は、「自治体の莫大な財政負担が必要となれば、廃線もやむを得ないのかなと思う」と下を向いて話しました。
財政負担は年間3億4000万円
沿線の3市町は同日、みなし上下分離方式で必要な財政負担額が年間3億4000万円に上ることも公表しました。現在、3市町が名鉄と結ぶ協定では、負担額は年間1億円(御嵩町7000万円、可児市3000万円)です。
広見線問題を担当する安藤裕之・御嵩町企画調整係長は、「国などからの補助がないと仮定し、線路の維持修繕や設備投資にかかる最低限の金額を出した。社会情勢によってはもっとかかるかもしれない」と説明します。
協定延長と代替交通の準備
名鉄と3市町との協定は今年度までです。3市町は、代替交通の準備などのため、協定の「2年間の延長」を同社に要望しています。
安藤係長は「代替バス路線整備のための準備時間がほしい。しっかりとした公共交通を構築しなければならない」と力を込めました。



