昨年12月に事業費の大幅増が明らかになった北海道新幹線の延伸工事に、新たな打撃が加わった。談合の疑いが浮上したことで、事業の正当性がさらに厳しく問われることになりそうだ。
事業費の大幅増加
2038年度末の完成・開業を目指して進められている新函館北斗―札幌間の延伸工事。この事業費を算定している鉄道・運輸機構が、今回、公正取引委員会の立ち入り調査の対象となった。
機構は昨年12月、事業費が最大1.2兆円増加する可能性を公表。これまでの2兆3159億円から約3.5兆円へと1.5倍に膨れ上がる見通しだ。主な要因として、コンクリートなどの資材価格高騰や労務費の上昇、入札の不調・不落による影響で5千億~5500億円、トンネルの構造強化や掘削方法の変更で2千億~2500億円などが挙げられている。
談合疑惑の影響
事業費の増加を受け、金子恭之国土交通大臣は事業費の精査や縮減策の検討を指示。国土交通省では有識者会議を開き、負担軽減策を検討している最中だった。仮に機構側が談合に関与していた場合、事業費の精査にも疑義が生じる事態となりかねない。
整備新幹線は費用対効果が厳しく問われる中、談合疑惑は事業の信頼性を大きく損なうものだ。今後の調査結果次第では、工事の中断や計画の見直しも避けられない可能性がある。



