北海道新幹線延伸工事で談合疑い、公取委が立ち入り検査
国家的プロジェクトである北海道新幹線の延伸工事をめぐり、談合の疑いが浮上した。公正取引委員会は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が発注した軌道敷設工事に関し、9社と同機構に立ち入り検査を実施した。
落札率99.8%の異常値
対象となったのは、新函館北斗から札幌までの約212キロを10工区に分割した工事のうち、入札が終了した5工区。落札率は最低でも94.3%で、最も高い工区は99.8%に達した。一般的に、競争入札で落札率が95%を超えると談合の疑いが強いとされる。
11年前の北陸新幹線談合事件
今回の疑いは、11年前に摘発された北陸新幹線を巡る談合事件を想起させる。当時は発注側の独立行政法人の役員も有罪判決を受けた。新幹線を舞台にした談合が繰り返される背景には、新規参入が難しい業界事情があると指摘されている。
工事概要と入札の実態
北海道新幹線は、新青森―新函館北斗間が2016年に開業。札幌までの延伸は政府主導で進められ、事業費は3.5兆円と試算される。談合容疑が判明したのは、その工事の核となるレールを敷く「軌道敷設工事」だ。
鉄道・運輸機構は10工区に分割し、技術力などを評価する総合評価方式の一般競争入札を実施。5工区で入札が終了した時点で、落札率が異常に高いことが判明した。1工区では参加業者が落札業者のみだったことも明らかになっている。
業界構造と談合の背景
新幹線工事は、技術的なハードルが高く、参入できる企業が限られる。このため、業者間での調整が行われやすく、談合が発生しやすい構造がある。公正取引委員会は、今回の立ち入り検査で談合の実態解明を進める方針だ。
今後の影響
北海道新幹線の延伸は、地域経済や観光振興に大きな期待が寄せられている。談合が認定されれば、工事の遅延やコスト増加が懸念される。また、発注側の責任も問われることになる。



