群馬・御巣鷹の尾根が開山、遺族高齢化で墓標移設も 安全への思い新たに
群馬・御巣鷹の尾根開山、遺族高齢化で墓標移設も

山桜が咲き誇る中、群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」が4月29日に今年の開山を迎えた。平野部より一足遅い春の訪れだ。日航機墜落事故の現場であるこの地では、遺族や関係者が犠牲者の名前が刻まれた墓標に手を合わせ、静かに祈りを捧げた。

事故から41年、遺族の高齢化進む

1985年8月に発生した日本航空123便墜落事故から、今年で41年が経過しようとしている。年月の流れとともに、遺族の高齢化は避けられない現実となっている。取材で出会い、この日の再会を約束していた70代の男性遺族は、体調不良のため直前に登山を断念せざるを得なかった。尾根の管理人によれば、体力の衰えを理由に、急斜面にある墓標をより平坦な下方へ移設する遺族も増えているという。

多様な訪問者、安全意識の拠点に

一方で、日航機事故の直接的な関係者ではない登山者も増加している。様々な災害や事故の遺族、公共交通機関の関係者らが訪れ、事故の風化を防ぎ、安全意識を高める場としての役割を果たしている。開山から間もない5月には、福島県の磐越自動車道で高校生ら21人が死傷するバス事故が発生。学校側やバス事業者の安全意識、管理体制が厳しく問われる事態となった。

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この事故の報道に接し、日航機事故の遺族で構成される「8・12連絡会」の美谷島邦子事務局長(79)の言葉が思い出される。「安全は祈るものではなく、みんなでつくっていくもの」。昨年、上野村で開催されたシンポジウムで、彼女は安全文化の発信を強く訴えた。単に願うだけでなく、命や安全について深く考え、自らの責任を果たすことの重要性を説いたのだ。この言葉を胸に刻みたい。

御巣鷹の尾根は、事故の記憶を後世に伝え、安全への決意を新たにする神聖な場所であり続けている。遺族の高齢化という課題に直面しながらも、その意義はますます大きくなっている。

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