福島県の磐越道で、部活動の遠征先に向かっていたマイクロバスが事故を起こし、部員の高校生が死傷した。この痛ましい事件を受け、「学校任せ」になりがちな高校での子どもの安全について、親が果たせる役割は何か。学校と保護者の関係に詳しい佐藤晴雄・帝京大教授(教育経営学)に聞いた。
学校活動での事故相次ぐ
沖縄県では3月、修学旅行中の高校生が亡くなる船の転覆事故も発生した。学校の活動で高校生が犠牲になる事故が相次ぐなか、高校の安全対策に注目が集まっている。
高校は小中学校よりも自宅から距離があるケースが多く、子どもの年齢的に自主性に任せる意識も働きやすい。保護者にとって比較的、縁遠い存在ではないだろうか。多くの保護者は、先生がしっかり安全を守ってくれていると思って子どもを送り出しているが、こうした事故があればその信頼は揺らぎかねない。加えて、学校側がどんな安全対策をとっているかよく知らないとなれば、不安を感じるのは当然だ。
ブラックボックスが「安全神話」を形成
保護者の目が届きにくい学校現場では、安全対策がブラックボックス化し、いわゆる「安全神話」が形成されやすい。佐藤教授は、保護者が積極的に関与することで、この神話を打破し、事故防止につなげる必要があると指摘する。
保護者に求められる役割
佐藤教授は、保護者が学校に対して「圧力」にならない形で説明を求めることが重要だと強調する。具体的には、以下のようなポイントが挙げられる。
- 定期的な情報共有の場を設ける:保護者会や懇談会を通じて、学校の安全対策について話し合う機会を作る。
- 疑問点は遠慮なく質問する:バスの運行管理や緊急時の対応など、気になる点は積極的に問い合わせる。
- 子ども自身の安全意識を高める:家庭でも、事故防止のための注意点を話し合う。
学校側の対応も重要
一方で、学校側も保護者の不安を軽減するために、透明性のある情報開示が求められる。例えば、遠征時の交通手段の選定基準や、運転手の健康管理状況などを共有することで、信頼関係を築くことができる。
佐藤教授は「保護者と学校が対立するのではなく、子どもの安全という共通目標に向けて協力することが大切だ」と述べている。



